タイムマシンを作ったから、試してみて。
そんなちょっとおつかい行ってきて、みたいな感覚で出来立てほやほやのタイムマシンの実験につき合わされたのは、高校生の瀬尾総介くん。発明家であった母は昔から突拍子も無い物を作っていましたけど、まさかこんなものまで発明するだなんて……
こんなギャグみたいなノリで、百年後の東京に時間旅行をすることになってしまいましたけど、そこにあったのは大都市ではなく緑の広がる世界。しかもそこの住人は魔法を使っていて……
これってSF?それとも異世界転移もの?
可愛いお姫さまや、それを守る騎士なんてのも出てきますし、雰囲気は完全に異世界ファンタジー。だけどそれだけではありません。調べていくうちに、徐々にこの世界の秘密が明らかになってきて……
民の事を想うお姫様と、そんな彼女といるとよく笑う総介くんの関係が良いですね。仲が睦まじくて。
だけどこの話、意外と重いところもあるのですよ。一国の姫となると、色々と難しいし、責任もある立場。後半のハードな展開には驚かされました。
SFとしてもファンタジーとしても、ボーイミーツガールとしても面白い今作。どれか一つでも好きだと思った方は、試しに読んでみてください。
第二章まで読ませて頂きました。高校生が主役となる総介くん。総介くんのお母様のひと癖ある性格から生まれたタイムマシンはワクワクをも創り出しています。もう、始まりからSF好きにはたまらないであろう、物語の運び方をされていました。
テンポよく読み進められるので、物語にスピード感もあります!
百年後の東京へ、タイムリープ!かと思えば、意外や意外、それは亜空間へと飛び出ててしまった場所でした。そして、そこで出会った王女との異文化交流も楽しく繰り広げられています。
タイムリープと異世界のコラボ、夢中になれますよ!
好きなんですよねえ……タイムマシンもの。
古くは、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」から、最近では、「シュタインズ・ゲート」、他etc。
その上、美少女アンドロイドが登場と、大好物なSF二大要素が含まれていたことで、連載中の作品の執筆も忘れて、読書に没頭してしまいました。
設定が凄く興味深く、おどけすぎず、かつ堅苦しくもならない洗練された絶妙な筆致と相まって、とても「読ませる」作品だと感じました。
小説において、この「読ませる」という要素は、自分で執筆する際もそうですが、とても重要なことだと思うのです。
プロの作家さんの作品であっても、読者をどう惹きつけるかには苦心するもの。
この作品は、その「読ませる」という要素を多分に含んだ秀作なのです。
SF好きな人であれば言わずもがな、そうでない人も、予想のつかない起伏のあるストーリーを、「え、次どうなるの?」と楽しく読み進めることができる。
小難しい理論などがペダンチックに語られすぎることなく、必要最小限の説明で抑えられていることと、それが作風にマッチしていて、すんなりと入ってくる、という点も良かったですね。
科学とファンタジーの融合。
面白い試みですし、成功しているよい一例です。
自分は本格ミステリィ作品を多く書いていますが、ミステリィというのは、探偵がいて殺人事件が起こって――という王道の展開ばかりでなく、優れた作品の中には、おしなべてミステリィな要素が含まれているものです。
「謎」というものは、どういう形であれ、それだけで読者を惹きつけてしまうものですからね。
その「謎」をこれだけ興味深く読ませられる作品というのは、そうそう他にはないものと。
異世界転生ものという王道テンプレを思い浮かべてしまうところで、自分はそうだと聞いただけで、食指が動くことがなくなってしまうのですが、こういった形で、今とは別の世界を描くファンタジーだと、まるで違ってくるのですね。
新しい要素がふんだんに盛り込まれたこの壮大なSFファンタジーは、☆3つでお薦めです。
楽しく拝読させて頂きました。
主に物語の舞台となる世界は、多くの方に馴染みのある所謂剣と魔法のファンタジー世界。
その特質すべき魔法にも一風変わった趣向のご作品で、それを含めてSFだな、
と思わせてくれる科学の匂いと論理的物語の構築がふんだんに味わえます。
だからやっぱりSF作品なのだ、と高らかに言いつつ、加えてミステリー=謎を解明してゆく面白さと魅力も詰まっているので、SF☓ミステリー☓ファンタジーとしたいですね。
物語の流れなどはあらすじや他の方のレビューを参考にして頂くとして――、
(内容が内容のであまり核心に触れれない、読んでからのお楽しみが多いので)
異文化交流と来れば、現代の物に対するリアクションなどが楽しみでも私としては、そのお約束要素が読めてほっこり、また主人公の存在が世界を左右するお話であることは、やっぱりどんな変化球のものであっても望みたいところで求めている部分ですから、それに応えてくれたこちらのミライセカイは素晴らしい。
そして、何よりも(読みやすさにも繋がるのですけれども)
こちら読む側が興味を持つべき指針=追うべき物語の展開を上手く魅せてくれ、誘導してくれたことが高評価です。
ファンタジー好きにはやや毛色の違う新鮮さを。
SF好きには十分に思考できる楽しさを。
お得な一冊、ぜひ読んでみてください。