ごんべえ

凄いモノを読んでしまった。

あまりに理系な観点で語られる哲学の小噺はまさに円城塔の作品を彷彿とさせる力作ばかり。

純文学と哲学と円城塔が好きな方は絶対に読んだ方がいいです。

死者に安らぎすら失われた時代。

ナイーブな筆致で語られる煉獄にて今日も死者は労働に勤しむ。

サラッと読める傑作です。

現代に近い世界観で織りなされる任侠SFもの、といえば『テクノライズ』を想起する方が多そうですが、そんなことはなく、上品な文体も相まって綺麗に物語が進行していきます。 過激さを求め…続きを読む

　ポストアポカリプスを体験したいのなら『ＦＦⅩ』をプレイすればいい。 　異能モノがご所望なら、『ブギーポップ』を読めばいい。 　 　スチームパンクＳＦが恋しいのなら『ディファレン…続きを読む

とある富豪の死。

その葬儀を担当した葬儀屋の野々宮は富豪の過去を巡るちょっとした騒動に巻き込まれる。

富豪に遺言に隠された真意に人情を感じました。

ソシャゲを模した世界に召喚された青年と少女のお話。 プレイ経験皆無の少女と廃課金プレイヤーのちょっと頭のおかしい主人公のコンビが楽しいです。 ていうか、ソシャゲ経験あると面白…続きを読む

ただ祈りを捧げる少女に見惚れた悪魔は影ながら献身的に彼女を守り続ける。

だが、彼女には悪魔の想いは届くはずもなく。

さあ、歌おう。どうか、この哀しき悪魔に安らぎを。

突如として起きた大震災。 それによって引き起こされた大津波によって男は孤島へ流される。 周囲の海には物言わぬ死体が浮かび、男は一人生きようと足掻くが……。 生とは何か？ 死…続きを読む

突如として現れた黒い霧の魔物。 そして、錯綜する人々。 時に裏切られたり、時に協力し合いながらも魔物と対峙していく。 足掻け、それだけが生き残るただ一つの術なのだから。 F…続きを読む

世の中には色んなバカがいますが、こんなにも見ていて気持ちのいいバカは他いないです。

情が深い真の男をみたいなら必見です。

本当にいい意味でバカっているんですね。

面白い作品をお探しの物語難民のあなたにうってつけです。

ネタばれがないように配慮されているので安心できます。

物語探しの参考にどうぞ。

どうしようもない現実に痛めつけられた人たちの話。 アル中で統合失調症の千歌。 その面倒をみる羽目になった僕はいろんな面倒ごとで首が回らない。 どうしようもないけれど、ほんの少…続きを読む

現実には存在しないものを実在させる技術を持った男。 羽生犀星。 その彼が彼岸へ逝ってしまった。 わたしに一つの願いを託して。 美しい詩と詞とイデア。 その果てにある彼の本…続きを読む

同じ過ちを繰り返してはならない、と人は言う。 それは、結構。 ですが、今の我々と当時の我々にどれ程の違いがあるでしょう？ 残念ですが、当時のままです。 ただ、向いている方向…続きを読む

人生を太宰治は悲劇名詞、喜劇名詞、どちらの語に分類しただろうか？ かなり昔に人間失格を読んだのでもう忘れてしまいました。 どちらとも分類したかもしれないし、しなかったのかもしれ…続きを読む

人間の生存本能という厄介なセキュリティがなければ簡単に到達してしまえる領域なのかもしれません。 生き続ける地獄からの唯一の救済が死でしかないのですから。 レビューになっていない…続きを読む

男性のいない街。 女性だけの街。 マーテル。 僕は彼女のためだけに存在するたった一人の男の子として日々を送る。 これは、僕と僕だけの女の子とどうしようもなく閉塞した世界の物語…続きを読む

ファシズムが横行するイタリアにて、それでも、人々は窮屈そうな素振りを見せずに日々を送る。 その喧騒。活気。 如何なるファシストだろうとそれを奪うことは出来ない。 そして、交錯…続きを読む

しっちゃかめっちゃかに流れる時間を俺は歩き続ける。

もう一度、彼女に逢うために。

綺麗な文章と特殊な設定が本当に面白いです。

これぞ、SF！

今回、企画に参加させて頂いたごんべえです。 かなりの膨大な作品の依頼を受けていながらも真摯に読んで下さる姿勢には、ただただ頭が下がる思いです。 まだまだデスマーチは続くでしょう…続きを読む

その日、五人の美しき死神は舞い降りた。 憎悪で憎悪を洗う不浄に地に祝祭を執り行うために。 そして、響き渡る楽曲。 奏でるは死に逝くものに捧ぐレクイエム。 さあ、残酷なまでに…続きを読む

突然ですが、あなたのスマートフォンが突然、喋りだしたらどうしますか？ そして、その喋りだしたスマホが自らを宇宙人と嘯いたとして、あなたは平静でいられる自信がありますか？ これは…続きを読む

自由主義経済が行き着く先。 それは、情報が溢れ経済に歯止めが利かなくなり、やがて、国というシステムが崩壊し企業が幅を利かせるようになった世界。 それが、８０年代に夢見られていた…続きを読む

兵器として出荷される子供たち。

いつか人間になることを夢見る少女と彼女に恋をする少年の物語。

いま、彼は歌う。

このラブ・ソングが愛するすべての人々に届きますように、と。

コーヒーの原料や建築資材など、いまやすべての部分において使えぬ箇所が存在しなくなった人類。 ニートだろうがひきこもりだろうが、本当の意味で人的『リソース』としての役割を果たすことが…続きを読む

日々、記憶が消えてゆき、ついには息の仕方さえ忘れ死に至る病。 ミルクパズル症候群。 明確な治療法は確立されておらず、罹患者は脳外科手術を施し外部接続可能にしたうえで記憶のバック…続きを読む

押し付けがましい優しさで人間の負の側面を描くことが規制された未来。 それによって、創作物はどんどん味気なくなっていった。 不快がなければ快もない。 だから、彼女達は計画する。…続きを読む

センス・オブ・ワンダーとは？ 私はそれを『衝撃』だと理解しました。 初めて『虐殺器官』読んで受けた――まるで、ピストルで頭を撃ち抜かれたような――衝撃。 わたしは不意打ちを与…続きを読む

人々はその時代の中でしか生きることができない。 だが、文字として記されれば、文化として残り永遠になる。 一人、ひとり思い浮かべる内容が違えど容赦なく、文化として伝達される限りにお…続きを読む

ディスレクシアを抱える少年の物語。 HGDという装置で病を克服した彼は、初級日本語学校へ通いハンディキャップを克服しようと試みる。 そこで、遭遇する『楽園の扉』という言葉。 …続きを読む

ナノチューブによって人々の思想・言動・行動が管理される世界。 その挙句に人々はデザイナーベイビー技術を用いて自らの子を新たな時代に適応するようにデザインする。 自分と全く似つかな…続きを読む

徹底された管理社会において人々は疑問を抱くことなく日々を謳歌する。

それに逸脱してしまうことは、本当に罪なのか？

それを問い掛ける作品です。

有機物のみで構成されたモノにのみ特権的に魂が宿るなど、有り得ない。

いま、証明しよう。

その、魂の座を。

魂の在処を――

ＡＩがほぼすべての業務を担う時代。

職安には人が溢れ、みな自らの仕事を奪ったはずのＡＩからオラクルを受け取る。

そんな皮肉的な状況下で問われる本当の人間の価値とは？

とんでもない企画に出会ってしまった。 それが、率直な感想です。 そして、気付いたら、とんでもない企画に応募してしまった。 伊藤計劃が好き過ぎて。 これを読んだ伊藤計劃のパス…続きを読む

何気なく見ているテレビのワイドショーで報道されている現実。

助けてください。助けてください。

どれほどのその声なき言葉が我々に届いているのだろうか？

それを考えさせられます。

女はロマンチストの皮を被ったリアリスト。

男はリアリストの皮を被ったロマンチスト。

この作品を読んでいたらこんな言葉が頭のなかに浮かんできました。
いやあ、本当に切ないです。

私は、書店でこの作品に出会いたかった。 失われてしまった者をこの世に留める技術。 伊藤計劃のその先を見せてもらったような気がします。 Project-Itohは続く。どこまで…続きを読む

人間が、いや、生物が生きていくうえでもっとも必要なものを掌握する。 案外、もっとも効率のいいディストピア社会の作り方かもしれないですね。 人々が偏執的になってしまう未来。 『…続きを読む

現実って案外こんなもんだよな、と感じさせられる作品でした。

必死で足掻く主人公がとにかくやるせない……。

　一般的な異世界テンプレに飽きてきた方は一読の価値有りかと思います。

　あと、俺TUEEEEEとかもういいや、って方にもオススメです。

読んでいて、とても勉強になりました。

特に読んでもらうためには、それ相応の工夫が必要だ、という主張には目から鱗でした。

例えば私はここに存在していないのだけれど、自分があなたに見られていることを知っている。 self-Reference ENGINE　より抜粋。 観測がテーマなんですかね？ 主…続きを読む

趣味で書いているとはいえ、非常に参考になりました。

読んでいると試したくなりウズウズしてしまいます。

――なんだか、ずるい。 それが、この作品に対する率直な感想です。 心理学に基づいた姉妹関係の分析。 そして、可愛すぎる兄妹探偵。 こんなの絶対読んじゃうでしょ。 最後のどん…続きを読む

異世界転生の手段としては、あまりにも有名？　であるトラックによる轢死。 だけど、轢いちゃった方は堪ったもんじゃない！ 裁判やら、慰謝料などなど、さだまさし氏の「償い」に登場する…続きを読む

吉本ばななの「キッチン」を思い出して切なくなりました。

恋する乙女は輝いて見えてしまう。

それが、男の娘でも――例外はないのです。

心底、ゾッとした。
その一言に尽きます。

真の天才に備わる絶対的な要素。

その一端を目撃したとき、あなたは正気を保てるだろうか？
私は保証しません。

ジャンピング・ジャックからゲームの誘いのメールを受けた少年・少女は、必ず転落死する――。 あなたは、この物語の果てに何を見出す？ 不条理？　理不尽？　殺意？　それとも――希望？…続きを読む

読み専の方のこういった率直な意見を訊ける場というのは、なかなかないので、実は有難かったりします。 まあ、私の場合は周囲に込み入った相談をすることの出来る人間がいないので、他人様の…続きを読む