存在と永遠

作者 犬井作

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★★★ Excellent!!!

大震災の津波に巻き込まれた主人公が気が付いた時、彼はヤシの木の根にこびりついた僅かな大地と瓦礫でできた孤島に居た。

これが文学における写実主義なのか。
そう問いたくなるほどに圧倒的な力量で描かれたリアリティは見事の一言です。
前半の瓦礫と死体、自然の猛威がいかほどのものかを書いた箇所は東日本の震災を想起させ涙せずにはいられませんでした。

ヤシの木で飢えをしのぎ、次第に正気を失っていく男が最後に辿り着いた領域とは?

人が無力さを思い知らされた時、辿り着く場所は一つしかないのだなと感じました。
多少グロ表現が含まれていますが、それをおしてでも読むべき名作です。
人生について考えているひとにこそ、是非!


★★★ Excellent!!!

圧巻、でした。一気読みしてしまいました。
まるでその状況を体験したかのような情景描写。
そして、極限状態だからこそ気づく「生」と「死」の正体。
それらが、その中で葛藤する人の荒い息遣いが聞こえてくるかのような、凄い迫力で表現されていました。