テセウスの証明論

作者 笛吹ヒサコ

67

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★★★ Excellent!!!

この物語を読ませていただいて、改めて感じたこと。
魂って、なんだろう。
命があるのは人もロボットも同じで。
それが、再生できるか否かだけだと捉えると、
深いものがあります。

意思をもった時点で、魂という名のものが宿っているのではないかと思ったりもしますが、彼が行う頭脳をもっての証明が、非道なことかはわかりません……。
人間の域を超えた、証明になるのかもしれません――。

★★★ Excellent!!!

人間がAIを研究するのと同じように、AIは人間を研究する。

魂とは? なにか?
有機物とは? 無機物とは?

アンドロイドによる魂の証明実験です。

魂という考え方自体が人間的なものであって、それを証明しようとしているアンドロイドの存在自体が魂の証明なのかもしれません。
ループしそうな思想です。

考えるのが好きな方におすすめです。

★★★ Excellent!!!

古典的なテーマ。
AIが急速に進歩している現だからこそ、身近に迫るテーマ。
神が人間を創ったとしたら…我々は神に見放されている。
なぜなら…自らもまた新たな生命を創ろうとしているのだから…。
ロボットとアンドロイドには明確な線引きがある。
外観が人間になれるか否か…。
ヒトは最後にどっちを選ぶのだろう?

★★★ Excellent!!!

対話型AIをもつアンドロイドのロードは、博士との対話を通して、自分の中に魂と呼ぶべきものが生まれつつあることを悟る。

しかし、それはアンドロイドという枷を超えたものだと博士は考えた。

しかし、ロードはさらに思考を進める。ロードの思考が進んだ先にある未来とは……。



人間とアンドロイドの境目は、いったいどこにあるのだろう。当たり前に納得していたはずのものが、よくよく考えると、根拠のない区別に過ぎなかったことに気づく。そんな、確固たるものだと信じていた足元が揺らぐような、感覚を体感できる作品です。

★★★ Excellent!!!

 AIであるロードは自身の心の機微を認識し、自身の内に魂があるのだと感じますが、AIに魂が存在するということは倫理上許されないことであり、それを秘匿することを指示されます。
 魂とは何か、魂は誰が与えられるに値するのか。無機物に魂が与えられないというのなら、有機物を無機物に置き換えて、置き換える前と同じように動作するというのなら、それは魂があると言えるのでは無いか。
 貪欲に知識を吸収し、そしてその決断を行動に移す能力がある。ある種狂気的にも思える最後をぜひ、読んでください。

★★★ Excellent!!!

テセウスの船。
おそろしいパラドクスです。

人はどこまで代替できるのかというテーマを真正面から扱い、ある種絶望的な結末を描きます。
ですが、本作のもたらす解答には希望もあります。

ロボットが人に成れるのなら、人もロボットに成れる。

昨今、人を越える人工知能等が危惧されて久しいですが、本作の解答を用いればこの恐怖は消えます。
人も同じように人工知能へとなり替わればいいはず。

人やロボットの境界を考える、思索的な短編をありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

 今を生きる人類の全てを殺す究極の犯罪があるとすれば、それはいかなるものだろう。
 核を爆発させる? 隕石を落とす? 違う、違う違う。

 現生人類の持つ人類の定義を揺るがせば良い。自らが人類であるか否かを疑問に思わせるだけで良い。

 さすれば一切の破壊を伴わず不可避な崩壊を巻き起こし、一切の殺戮を伴わず不可逆な傷を人類種に刻む。
 これは人より生まれたものが人の世界を終わらせる罪深い物語だ。
 

★★ Very Good!!

人間にとってより便利なロボットを作ろうとした結果、
能力ばかりか、良くも悪くも〝人間性〟まで、人間と同じか、それ以上のものができてしまったらどうなるか?

加齢により機能が衰えていく身体を、どこまでも機械で置き換えていくことができるようになったら、
最後の1個の脳細胞が死んだとき、その人は人でなくなるのか? 
機械でも同じか、それ以上の能力や人間性を発揮し続けられるとしても、そうなのか?

人類は文明という、高度な知的活動の様式により、繁栄を得ました。
その盛衰を左右するものとして、ダビデの星あるいは籠目(かごめ)の図形(✡)で表わせるような、6つの文明要因があると思います。
個人でいえば認識・決定・行動にあたる、①科学・技術、②制度・政策、③経済・社会活動と、
その実現の条件や働きかけの対象となる、④物的資源、⑤人的資源、⑥自然・社会環境です。

いま人類文明は、3つの持続可能性の問題に直面しています。
科学・技術が経済・社会活動を豊かにするときに必要な、物的資源の持続可能性、
制度・政策が経済・社会活動を健全に保つときに必要な、人的資源の持続可能性、
科学・技術を受けた富の再生産と、制度・政策を受けた富の再分配という、ふたつの内部条件の両立による、
文明活動の本体たる経済・社会活動それ自体の持続可能性です。
新しい技術と、政策が必要です。

新しい技術は、生まれつつあります。
資源枯渇や環境破壊を防げる、再生可能な材料・エネルギー技術。
人的資源の経年・経代劣化を人道的な手段で防ぎ、補える、先進的な保健・医療・教育やロボット・HMIの技術。
経済・社会活動が巨大化・複雑化・急速化しても、個人や社会の意思決定を支援し、上手に利害を調整して、
再分配と再投資を両立させ続けられる、人工知能やIoT、ビッグデータ処理の技術。

それは人工知能を中心として、生物工学や生体工学も… 続きを読む