〈カクヨム計劃トリビュート/〉

作者 七瀬夏扉@ななせなつひ

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★★★ Excellent!!!

 伊藤計劃のミームを受け継ぐ、ということは実はそんなに難しいことではない。より正確に言えば、「どうすればそのミームを受け継ぐことができるか、言葉で表すのは」難しいことではない。
 安易に答えに飛びつかない冷静な態度で世界を見つめ、物語を愛してそれと真摯に向き合い、あとは多少のユーモアの精神さえあればそれでいい。
 だが、それを態度で示そうとすることはとても難しい。

 伊藤計劃は物語を遺し、彼はそれが人々の中に宿ることを望んだ。ここに集まったのは、その種子が自らの身体深くに根を張った者たち、つまり伊藤計劃の子供達(チルドレン)だ。
 伊藤計劃のミームを受け継ぐんだと、その意思を態度で示すことはとても難しい。しかしそれでも恐れず前へ進むことを決めた、恐るべき子供達なのだ。
 あるいは、伊藤計劃はまだ終わっちゃいないと、世界に対してそう静かに怒鳴りつけてやりたいのかもしれない。もしくは、僕らの口によって伊藤計劃を更に他者に語り継ぎたいのかもしれない。僕らが集った動機は人様々だろう。
 それでも、根っこの部分はそう変わらないはずだ。いくら言葉を尽くしても決して届かない相手に、それでも僕らは、「ありがとう」を伝えたいのだ。

 感謝を。この機会を用意してくれた七瀬さんに。この企画に参加した皆さんに。何より、僕らに物語を授けてくれた伊藤計劃に。
 あなたの物語は、確実に僕らの一部を、それも少なくない割合で成している。

★★★ Excellent!!!

カクヨムを利用する皆様ならよくご存知であろう名作『ひとりぼっちのソユーズ』の作者である七瀬夏扉様によって行われたこの企画ですがもう本当に凄い。ここまでハイレベルな作品が多数集まるものなのかと企画を追いかけながら唖然としていました。意識や言語を中心に様々なテーマで書かれた作品達、どれも伊藤計劃が遺したものを受け継ぎながらもさらにそれを育て上げ素晴らしいものを作り上げています。まさに今は亡き天才、伊藤計劃へ捧ぐトリビュートとして相応しいものではないでしょうか。伊藤計劃を読んだことがある人もない人も是非読んでみて頂けたらと思います。そしていつかカクヨム計劃トリビュート2を…!!

★★★ Excellent!!!

と言いつつ、私も今ひとつイメージしきれていないのですが^^;

なんとなくニュアンスはわかる
が、それを頭のなかで形に出来ないもどかしさ
いや、出来てれば誘われるまでもなくとっくに書いていたでしょうけど

っていうか、1作でも読んだ人ならわかると思うけど、何かしらインスパイアされるものがありますよね、伊藤計劃の小説って
それを形に出来るかどうかはさておき

★★★ Excellent!!!

必要なのは物語だけ。そんなものはそこらじゅうに転がっている。拾って自分を証明すればいい。きみがきみであることを。
さあ、そいつを脇に抱えたら、ぼくらの列に加わってくれ。
ぼくらの見たかった景色はすぐそこだ。一緒に来るなら、期待してくれてかまわない。

あなたに埋め込まれた伊藤計劃氏の物語が、新たな物語に埋め込まれることを祈って。

感謝を捧げます。このプロジェクトを立ち上げてくださったななせさんと、これからトリビュートを執筆なさるであろう作家の皆さんに。

★★★ Excellent!!!

 トリビュートという言葉には、「捧げ物」、あるいは「贈り物」という意味がある。これは主にポジティブな意味として、相手に敬意を表した表現として用いられるんだけど、英語という言語は常に皮肉じみた表裏一体の意味を持ち合わせていて、この言葉には「貢ぎ物」という意味もある。
 いずれにせよトリビュートという言葉は、遠い立場にある人、敬意を表するべき相手への賛辞や贈り物という、少し畏まった意味をもっている。
 例えば有名アーティストのトリビュート・アルバムは、その伝説的なアーティストに対して敬意を表するために組まれるものだ。尊敬する人を想い寄せ合った作品群。それがトリビュートだ。

 彼、伊藤計劃は『WALK』第57号(2008年12月)によせて、次のような言葉を遺した。

『そしてわたしは作家として、いまここに記しているようにわたし自身のフィクションを語る。この物語があなたの記憶に残るかどうかはわからない。しかし、わたしはその可能性に賭けていまこの文章を書いている。
 これがわたし。
 これがわたしというフィクション。
 わたしはあなたの身体に宿りたい。
 あなたの口によって更に他者に語り継がれたい。』

 彼は、あなたの中に彼の物語が生き続けることを望んだ。
 それがあなたの口によって語り継がれることを望んだ。
 だから僕らは、それを知りたい。
 私は、彼の生みだした物語が、あなたに根づき、あなたによって語られるのをみたい。
 それが彼へのトリビュートとして、この計劃<Project>に寄せられるのをみたい。
 彼もきっと、あなたの物語をまっている。