女装男子の魅力ってなんだろう?
そんなことを考えさせられました。
女装男子、と言っても色々いると思います。
本当に女の子になりたい男子に、女の子になりたいけどなりきれない男子。
下心から女装する男子もいれば、女装させられている男子もいるでしょう。
この作品の女装男子は「女子にもなれる男子」に見えました。
女子にもなれる、それはとっても特別なことです。
普通の男子が女装したところで、そう簡単には女子にはなれません。
完璧な女装ができるということは、普通の男の子とは一線を画した魅力を持っているわけです。
そしてそれは、たとえ男の姿になろうとも変わらないどころか、さらに心をとらえるものとなって現れます。
そんな特別に魅力的な男子、千尋さんと桃子さんのやりとりに心をときめかせてみませんか?
一日の恋愛成分を一本で補給できる素晴らしい作品です!
ちょっと女子力低めな主人公・桃子(とうこ)さんは大学生。
語学の講義で彼女は出逢ってしまうのですよ。
前の席に座ってる超綺麗な女の子・千尋(ちひろ)さんに!
で、たまらずお声がけしたら千尋さん、実は女装子さんだったのです!
……と、いうだけだったらよくあるお話なわけですが、もちろんそれじゃあ終わりません。
千尋さんは別に心が女子なわけじゃないんです。
彼は大事なもののために女装を選んだ、実に男前な人なんです。
だからこそ桃子さんは千尋さんに——千尋さんも女装の奥にあるほんとの自分を見てくれる桃子さんに惹かれていきます。
すごい波があるわけじゃなく、ドラマがあるわけでもないけど、その流れがすごく自然で。
ああ、「出逢い」ってこういう感じよねーと納得しちゃうわけです。
4794文字って短いストーリーですが、ひとつの恋愛がぎゅっと詰まったいいお話です!
(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=髙橋 剛)