概要
この身体も意識も、全て人類がつくってくれた――でも、この魂は僕のもの
人類によって製造された『キャロルの子供たち』――『ヒューマノイド・ドローン』。彼ら、彼女らは、『チャペル』と呼ばれる場所で共同生活を送りつつ、その日が来るの待つ。人類のためにその身体を尽くし、人類のために戦い、人類の未来に貢献するための日を、穏やかに過ごしながら待つ。なに不自由のない満ち足りた生活を送りながら。
ハロー、人類。
僕たちは、あなたたち人類のことが大好きだった。
あなたたち人類も、僕たちのことが大好きだった。
これから少しだけ話すのは、僕と、僕たち――そして、人類の話。
この物語を読む、あなたの話。
ハロー、人類。
僕たちは、あなたたち人類のことが大好きだった。
あなたたち人類も、僕たちのことが大好きだった。
これから少しだけ話すのは、僕と、僕たち――そして、人類の話。
この物語を読む、あなたの話。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!彼の残した自我の種
カズオ・イシグロ著『わたしを離さないで』を思わせる冒頭、少年少女たちは戦場へ出荷されるため育てられているのだという。
けれど、そんな絶望的な境遇にあって彼らはあまりに幸福だった。
その幸福と喪失、そして人類への愛情を描いた中編。
本作の見どころは、「ヒューマノイド・ドローン」と呼ばれる少年少女たちの慎ましく切ない交流、見え隠れする不穏な影と後半のどんでん返し、そしてあまりに絶望的な人類への愛情だ。
互いに接続され完璧な相互理解を行うヒューマノイド・ドローンたちは、今の私たちが享受できないような幸福を得ている。
その静かで満たされた描写は美しかった。
もっと読んでいたいと思っ…続きを読む