第1話の主人公・山本凛花のキャラクターが最高だ。
引きこもりのイラストレーターで美少女、しかし「天才」ではなく「普通にゲームが好きなだけ」という絶妙な普通人設定が、デスゲームというハードな状況に放り込まれたときのコントラストを生む。
一人称文体のテンポが非常に軽快で、重い設定のはずの「初回出荷十万本のVRMMOがデスゲーム化」という状況を、作者の独特のユーモアで読ませてしまうのが上手い。「ふぉぉぉお……! 当たってる……!」という開幕の台詞一つで、このキャラクターの個性がすでに伝わってくる。
VRMMORPGの世界観設定も丁寧で、個人認証システムや開発会社「ユグドラシル」の語り口など、作り込みがしっかりしている。それがデスゲームへの「落とし込み」の前振りとして機能しているため、展開への期待感が高まる。
何より、主人公が「気ままにゲームバランスを崩壊させる」というタイトル通りの展開がどうやって実現するのか、続きを読まずにはいられない。