静かで優しい筆に誘われて読み進めると、うわ、やられた~。
途中からもう、ハンカチなんかじゃ足りません。
特に子育て経験者には堪らない、その状況にその言葉。
こんなに素晴らしい旦那様に恵まれた奥様が羨ましいと思う方々は後を絶たないでしょう。
でもそれ以上に、お嬢ちゃんの愛らしく純真な言葉や仕草に、全部持っていかれてしまいます。
ほぼ子育てが終わりかけている今だから余計に、涙がとまらないのかもしれない。あの時、もっと優しくしてあげてたら、あんなに怒らないで受け止めてあげていられたら、と後悔は尽きません。
それでも、いまだからそう思えるのであって、当時はそんな心の余裕も時間の猶予もなかった、と心宥めるしかないのです。
久々にオムライスを作ってみたくなりました。
カクヨムに参加して、こんなにも素敵な作品を送りだして下さって、有難うございました。
心からの感謝を込めて。
「万人とは異なる所があっても許容しよう、共に生きよう」というお題目を唱えるのは簡単ですが、実際に実行するとなると個人の価値観が抉られて、うまくいかないのが世の常です。
ここのところ「発達障害」という言葉が注目を集めています。これは法改正や診断基準の変更に伴う一連の流れの中での盛り上がりにすぎず、文明が生まれてから幾星霜、そのような人たちは一定数存在してきました。そして、この物語にあるような夫婦が、親子が、いつの時代もいたのです。
物語に登場する夫婦には、これから先、さらなる苦労がまっているでしょう。本人にも、言わずもがな。そのような未来が容易に想像できる設定のなかで、幸せな一瞬を切り取った文章です。そして何より、タイトルが素晴らしかったです。