富貴天に在らず、吾に在り

作者 浪岡茗子

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★★★ Excellent!!!

「感字」と「看字」。
書き手がその文字を書いたときの気持ちや、書き手の性格を読み取ること。また、たとえば同じ「馬」という文字でも、生きた馬なのかおもちゃの馬なのかという、何をイメージして書かれたのかまで読み取ること。それが「感字」と「看字」。

まるで絵画を読み解くように、文字に込められた情景が立ち上ってくる。同じ文字でも、込められた想いが異なればまったく違う文字になる、という世界観が面白い。

皇帝の世継ぎが生まれないという大問題を解決したくて奔走するヒロインは、常識破りの活発さで周囲を巻き込み、優れた書の才能を持つ元戦災孤児の青年と出会う。
彼が公文書の偽筆を見抜いたことから、しだいに陰謀の香りが漂いはじめる。

キャラクターもストーリーも魅力的。
物語がどこに向かうのか、続きがとても楽しみです。

★★★ Excellent!!!

この作品は「文字」というものをテーマとして扱っています。
そのせいなのか文章も非常に丁寧で流麗であり、全体として格調高い雰囲気が漂っています。
中華風の世界観は歴史から習慣、服装に至るまで細部に渡って作り込まれており、まるでこの世界が本当に存在しているかのように錯覚させてくれます。
活発で物怖じしない主人公の明麗をはじめ、脇を固めるキャラクターたちも魅力的です。
文学の香気が高いファンタジーが読みたい方におすすめです。

★★★ Excellent!!!

漫画やアニメと違って文字でしか表現できない小説において、文字そのものが取り上げられることは珍しい。そして文字を通して登場人物たちの内面を伝える場面では、つやつやした墨で書かれた文字を実際に目で見たようイメージができるほど丁寧に描かれている。びっしり料紙に書き込まれた達筆はものすごく迫力がありそう。
主人公のじゃじゃ馬娘・明麗がこれから一体何をやらかし、新米文官・文徳をどのように巻き込んでいくのか、今後がとても楽しみ。更新待ってます!