「感字」と「看字」。
書き手がその文字を書いたときの気持ちや、書き手の性格を読み取ること。また、たとえば同じ「馬」という文字でも、生きた馬なのかおもちゃの馬なのかという、何をイメージして書かれたのかまで読み取ること。それが「感字」と「看字」。
まるで絵画を読み解くように、文字に込められた情景が立ち上ってくる。同じ文字でも、込められた想いが異なればまったく違う文字になる、という世界観が面白い。
皇帝の世継ぎが生まれないという大問題を解決したくて奔走するヒロインは、常識破りの活発さで周囲を巻き込み、優れた書の才能を持つ元戦災孤児の青年と出会う。
彼が公文書の偽筆を見抜いたことから、しだいに陰謀の香りが漂いはじめる。
キャラクターもストーリーも魅力的。
物語がどこに向かうのか、続きがとても楽しみです。