概要
くたばれ名探偵。やれ不可能犯罪だの、読者への挑戦状だの糞喰らえ。
新興宗教『緑石の会』教祖である前園英二の父・裕貴が翡翠の短剣で刺殺された。被害者は肺ガンに冒され、余命残り一ヶ月と宣告されていた。手を下さずとも一ヶ月待てば死ぬと分かっている老人を何故犯人は殺害したのか? 名探偵・天水周一郎の推理が冴える。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!驚愕のハイレベルなミステリー
何となく読んでみたミステリーですが、非常にレベルの高い作品で驚きました。
不可解な殺人動機、不可解な凶器、そしてそれを取り巻く不可解な背景の容疑者たち。
すべてが謎めいており、読者の関心を惹き付ける魅力は充分です。
そして、解決へと導く充分な論証、裏付ける歴史的、宗教的な学識は非常に高度。
解決を担当する名探偵は、実にユニークな変わり者で、読み手を楽しませます。
また読者への挑戦状も用意されていますが、私は全く分かりませんでした。
驚きの真相にぐうの音も出ません。
正直、★3つでは全然足りません。
もっと評価されるべき。
続編を切望するレベルです。
面白いので、是非とも読んでみ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「国名」+「謎」なら、今も昔も、やっぱり本格
本格ミステリの謎の要素は大きく三つに分けられる。
フーダニット(誰がやったのか)、ハウダニット(どうやったのか)、そして、ホワイダニット(なぜそうしたのか)
この中でもっとも刺激的で、おそらく普段ミステリを積極的に読まない層にも求心力があるのは、なんといってもホワイダニットだろう。
フーダニットは、容疑者のアリバイをしらみつぶしに当たる地味な作業に終始しがちで、ハウダニットは、答えを聞いて、ともすればピタゴラスイッチ的な仕掛けに、「本当に出来るのかよ」と冷や水を浴びせる結果になりかねない。(ミステリ好きではない読者であるが故、そういったことには冷たいのだ)
ミステリファンであって…続きを読む