真っ暗な世界で僕らは光を求めた

作者 あおいしょう

30

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★★★ Excellent!!!

食人族対人間という対立構造の描写から始まるストーリー。冒頭はなかなか残酷なシーンもありますが、読むべきポイントはまさにそのあとに展開される、登場人物たちの心理描写にあります。

ネタバレを防ぐために内密は伏せますが、冒頭のシーンからは想像つかないシリアスな話や、温かい話など、どれをとっても胸に響くエピソードが満載です。

作者さまは紹介にあります通り、ダークな作品を書かれますが、しかし、そこには見事なほど人間の感情の部分を浮き彫りにされ、読む人に感動だけではなく、感情としての訴えを仕掛けてこられます。

いくつか公開されている作品の中では、こちらの作品は最初に読むのに適しているかと思います。他の作品も読みごたえ抜群ですので、まずはこちらの作品から楽しまれてはいかがでしょうか?

ラスト近くの遠吠えシーンは、ぐっとくるものがあります。みなさまに素直にオススメできる良作です!

★★ Very Good!!

最初は一体どんなお話になるのだろうと不安に駆られることもありましたが、これは真っ暗な世界で暮らす人々のお話です。
ちょっと冒頭にグロ方面があって気後れしてしまうかもしれませんが、予想した以上に真っ当な”彼ら”を垣間見ることができるでしょう。

生きるために、何に折り合いをつけ、どの選択を良しとするのか。
医者の彼と、戦士な彼女を通して語られる物語はこちらに問いかけてくるのです。

ユニークな設定と世界観で仕立て上げられたお話の末に。
何を受け取り、どの立場に共感するのか。
読んだ人ごとの答えがそこにある、そんな作品です。

★★★ Excellent!!!

最初にあらすじを読んだ時に、人間を喰らうことで生きる食人族
そして彼らと戦う人間たち、というような話を想像しましたが
全然違いました。

多種多様な種族が協和するために、自分を犠牲ににしてまで
太陽の光を消した男と、どうしても太陽の光を求める女
そんな二人の間で心を痛める種族ハーフの男
三つ巴の想いがぶつかり合う良質なファンタジードラマでした。

人がそれぞれ生きるためには、生きるための正義、
もしくは心の拠り所が必要です。
本作ではその正義がぶつかりあいながらも、最終的には
かれら全員の想いが一つに収束していきます。

全てがハッピーエンドでは無く、望むべき世界を創ろう
と自分を犠牲にした男の最期には涙しました。

最後に食人族の描写ですが、最初は残酷ですが
本編に入れば愛すべき姿で綴られていて、とても癒やされますよ。



★★ Very Good!!

食人族という決して人間と相容れることのできない存在。そんな彼らを閉じ込めた世界。
独創的な世界観や設定、造語が相変わらずの持ち味だなぁと思いました。

闇の世界で生き、それぞれの想いを抱える者達。
世界の創造主たる青年の行為。食人族でありながらどこか陽気で憎めないドリーク。
この二人が象徴的に感じ、誰か一人が悪いわけではないという事実が、ストーリーに深みを与えていました。
悲劇とも喜劇ともとれない内容であり、読んだ人によって様々な感情が沸き立つ作品だろうと思いました。

自分は『異なる存在が同じ世界で生きるために、どうすべきか』というテーマの作品だと感じました。
ただそのための『異質』を『食人』に据える必要があったのか、という部分で、もっと作品と深くリンクして欲しかった気もします。

とは言え中篇で綺麗にまとまっており、未来を感じさせるラストで良かったです。安定して楽しめました。

★★ Very Good!!

愛する人の命を守るため、食人族を引き連れて闇の世界を創造した青年。
巻き込まれた人々の戸惑いと恨みは、創造主へと向けられる。

「食人族 VS か弱い人間」という構図のお話ではありません。

自分とは決定的に異なる存在を完全に排除するのではなく、ともに生きることはできないのだろうかと模索するお話、だと思いました。

なかなか深いテーマだと思います。
もっと掘り下げてあれば、もっともっと読み応えがあったかも。

★★★ Excellent!!!

感動しました。
読後感がとてもいい作品なので、ぜひ最後まで読んでほしいです。

どうにもならないことをどうにもならないと認めて、身近なところに目を向けたら幸せがおとずれる。
人生とはそういうものかもしれないと思わせてくれます。

食人族の生と死についての常識が、普通の人間とまったく違うところがすごくよかったです。
食人こそありはしますが、ファンタジーとしてはそこまでダークには感じませんでした。素敵なお話だと思います。