自分を犠牲にしてまで守りたかった大切な世界

最初にあらすじを読んだ時に、人間を喰らうことで生きる食人族
そして彼らと戦う人間たち、というような話を想像しましたが
全然違いました。

多種多様な種族が協和するために、自分を犠牲ににしてまで
太陽の光を消した男と、どうしても太陽の光を求める女
そんな二人の間で心を痛める種族ハーフの男
三つ巴の想いがぶつかり合う良質なファンタジードラマでした。

人がそれぞれ生きるためには、生きるための正義、
もしくは心の拠り所が必要です。
本作ではその正義がぶつかりあいながらも、最終的には
かれら全員の想いが一つに収束していきます。

全てがハッピーエンドでは無く、望むべき世界を創ろう
と自分を犠牲にした男の最期には涙しました。

最後に食人族の描写ですが、最初は残酷ですが
本編に入れば愛すべき姿で綴られていて、とても癒やされますよ。



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