温かくも物悲しい余韻が残った。

送り狼、あるいは送り犬という妖怪がいる。
この作品はそれをモチーフにした哀しいお話。
獣の好意と人間の道理は相容れない。
笑っていてほしい相手が泣いたのは自分のせいだと、たぶんオオカミは気づいた。そのときのオオカミの描写が簡潔で、だからこそ胸に迫る。
よけいな説明がないのがいい。
読んでよかった。