葛藤がない、という「答え」の真実。

個人の記憶や人格を死後に再現できるようになった世界。
それは喪失感を和らげて、最終的にちゃんと死者と別れるためのステップ。
もしもこういう社会になったら、きっと他にも、この「わたし」のような秘密を抱えて終わる人がいるんだろう。

作り込まれた世界観、「わたし」の死の真相を追うストーリー。
哲学的でもあり、なるほどと唸りました。
法とは決して善ではない。

読んで、得るものがある良作です。

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