第37話 焔2

「なんてことをおっしゃるんですか。例えばであっても自分の手を切り落とすとか、憎まれるべき存在だとか。。、、ジャニスも自分のことを卑下する傾向があるけど、、レイノルズさんも、なんですね?2人とも真面目でストイック過ぎる気がします。、、そんなふうじゃ心身に良くありませんよ。

、、こんなに率直に自分の辛い過去、忘れたい後ろめたいことをきちんと話せる人が、憎まれるべきとは僕は思いません。

ジャニスがあなたを記憶から消し去らなかったのが証拠ですよ。、、きっと二人とも感性が豊かなので、、それがぶつかり合っただけです。僕だって綺麗な人間ではないです。

、、お話しは大体はわかりました。、、でも、過去の全てがあって今のジャニスがいるでしょう?僕は今のジャニスか大好きですよ。だから大変な道のりでも、ジャニスを知りたいし、もう一度ヴァイオリンを弾くジャニスを見たいです。それと、、ジャニスが今も僕ではなく、あなたを愛していることもわかっています。


、、正直、それだけのことがあったのにジャニスがいつもあなたのことを話すほどあなたが好きなのは、、悔しいですよ。


、、でも、彼女が好きな人は僕も好きにならないと。。それが彼女を知ることの一つだと思います。」


ザイフェルトは、リチャードのテーブルに置かれたままだった少し震えていたカップに触っていない左手に片手を置き、震えを止めてくれた。リチャードは驚き顔を上げる。


「、、ザイフェルトさん、、。

、、驚いたな、、、あなたほど度量が広い方を初めて見ました。、、、私は彼女とは、お互いを乱し合うだけになってしまう。。あなたが言ってくださったように似たもの同士だからかもしれません。、、でも、あなたなら大丈夫ですね。、、彼女もきっと、私と彼女では、不安定な火力の炎が互いを焼き焦がすだけなのを理解するはずです。あなたの、、暖炉の火のような穏やかで暖かい愛を感じれば。


、、彼女は私に2度とくるなと言いました。良い機会です。、、私は2度と彼女には近づきません。彼女を、、ジャニスを幸せにしてあげてください。」


リチャードはザイフェルトに対する感謝と悔しさの両方で涙しながら、ザイフェルトの手を握り返して願いを託した。


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