第180話
「42のおっさんがチャレンジしちゃ悪いのかね。
お前は私に、自分の子育てや義務感から解放されて好きに生きてほしいなんて言ってなかったっけ?
言ったとおりになったんだから喜んでほしいもんだ。
、、、十八番じゃないことをやりたい年頃なんだよ。
古楽だけじゃないけど、そうだな、、ヴァイオリンの奏法の歴史や奏者の役割の変遷には興味があるから、
古楽も辿る必要はあると思ってるよ。、、、演奏ではさんざジュリアードもロイヤルアカデミーも出たし、、
短期なら他の学校も行ったし、、演奏では入学しないししたくないけど、、。」
イギリスで自分に珍しく礼を言ってきたり、認めてきた時とは別人のように、父は憎たらしい言い方で返す。
ヨハンはそれに少し不愉快になり、演奏会の差し入れに持ってきた、父の好きな高級菓子店のクッキーのアソートのの紙袋を父の目の前におきながらため息をついた。
「悪くはないけどさ、、。いまいち意図がわからないんだよ。そう!そうだ、楽団やエルンストさんには反対されてないの?
あとJ・Sって作曲家誰だよ、、。全然思い当たらない、、まさか父さんが作曲したの??」
ヨハンはクッキーの紙袋を見て目を輝かせ、早速明け始める父に尋ねる。
「、、、まだお前にすら言えないけど、、。お前も存在はしってるはずだよ。
ああ、、あとね、アメリカに演奏旅行中に、ジャニスとはケリをつけてきたよ。
、、カザリンの許可も取って、、。最後のデートをしてきた。ふしだらだけど、
ジャニスとそのパートナーにも頼まれてな。お前には長らく心配かけて悪、、」
父が当然のような口調でヨハンの常識からは外れた内容を話だし、ヨハンは思わず立ち上がる。
「ええ??カザリンさんがいるのにジャニスさんとやったの??
最低だな、、父さんは女好きだけど浮気はしないし一応最低限はまじめだと思ってた!!
いくらなんでもないよ!!見損なった!末代までの恥だ!!!」
ヨハンが叫ぶと、父も立ち上がり、必死に反論する。
「違う違う!!ディープキスまではしたけどやってないよ!!やられそうになって私がジャニスを止めたんだぞ!!
第一、ジャニスとそのパートナーに頼まれなきゃ二人で出歩く気もなかったし、そもそもハンスをジャニスに会わせるためで、、」
「やる直前まで行ったんじゃないか!!
イッセルシュタット先生のせいにするなよ!
カザリンさんも信じらんないな、こんな女たらしのおっさんを、、」
「何だと?それが父親に対する言葉か?
だれがお前のオムツを換えたと、、」
「何十年前の話だよ!!これから父さんがオムツする番だろ。」
「まだ42だよ!!そんな早くに介護対象になるか!!」
二人が言い合いしていると、ドアが開いた。
「ああ~~~~なんかすごいこと聞いちゃったな、、。
取り込み中悪いね。その、、エルンストさんからアンコールの時話していたプロジェクトのこと聞いたんだけどさ、、。」
ヨハンとリチャードが同時に振り替えると、エルンストがドアを開け、明を先頭に、ビリーとハンス、ライオネルが入ってきていた。
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