第29話 雨だれ2
ミカエルは、おかしなタイミングでぐっすり寝てしまったため、一人で深夜に起きてリビングのソファからダイニングテーブルに移動し、妻が買ってくれたサンドイッチとスープ、ポテトフライをつまむ。すると、少し経ってからコンスタンツェがやってきた。
「スタンツ?、、ありがとう、買ってくれて。寝ている私を部屋まで運ぶの,重かったんじゃ?」
「ええ、四人がかりでそりゃ大変だった。、、だから悪いけど階段上がった部屋までは無理だった。リビングのソファまでなら、食べる割にはヒョロヒョロしてるからなんとかなったけどね。」
コンスタンツェは、さばけた独自の口調でハキハキと返す。それから、真ん中分けのストレート•セミロングのブラウンの髪を片手でかきあげ、凛とはしているが歳の割には童顔な印象もある顔を綻ばせる。
もう片手にはプライベート用のケータイが握られている。
「こんな時間まで、、仕事の電話?
,,明日も君は早いだろう。もう寝ないと体に良くないよ。それに、4人とは?誰か来客があったのか。」
ミカエルはコンスタンツェの様子から自分が寝ている間に何かあったのを察し、問う。
「ヨハンくんが来てるの。いつものあそこでサンドを買おうとしたら、ヨハンくんが一人でいてね。顔が暗かったから連れてきちゃった。、、あんな時間に子どもが一人で危ないし。詳しくは話してくれなかったけど、レイノルズさんと喧嘩したから家に帰らないんだって。
、、それで、レイノルズさんにさっきから電話やメールしてるのに全然繋がらなくて。まさかヨハンくん放ってあのレイノルズさんが寝るとも思えなくて,気になるのね。
、、お願いできる?」
「、、もう十分寝てむしろ目は覚めてるけれど、、リチャードが行きそうな場所ややっていそうなこと、か。。
取り乱してケータイも見ずにヨハンを探しているだろうけどね。、、普段オケでは気を張ってしっかりしてるけど、根は起伏の激しい性格だから。ヨハンのことともなれば頭が真っ白だろうな。」
ミカエルは思い当たる場所について考えつつ呟く。
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