死闘3とソフィア視点

 カタカタカタカタ


「・・・ん?なんだ?」


 蛇骨が揺れている。


「・・・『鑑定』」


【妖刀蛇骨】(抜刀可)


【常に持ち主の体力を吸い取る妖刀。

 ある島国の鍛治士が鍛え上げた名刀蛇骨が妖刀に変化したもの。


 ある島国のある村で若い娘を生贄に差し出させ、若い娘を喰いまくった大蛇の怨念が宿っている。


 転生者アッシュの実力を認め使用する事を許可した。


 覚醒1 爬虫類に特攻を持つ】


「・・・なるほどな、けど遅すぎるだろ。

 もう終わったぞ」


 俺は鑑定の結果を見て蛇骨が抜けるのは良いが、出来れば魔物の群れと戦う前に抜けて欲しかったと感想を漏らした。


「さて、かえ・・・」


 ドシン!  ドシン!


「・・・ん?」


 俺は帰ろうと転移石を取り出そうとポケットに手を伸ばそうとしたその時、20階層への階段がある方からとてつもない程の大きな音が鳴り響いてきた。


 グォォォォォォ


「・・・え?」


 グォォォォォォォォォ!


「・・・嘘でしょ」


 グォォォォォォォォォォォ!!!!!


 ドガァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!


「・・・」


 先程の戦闘により19階層の木々は無に等しい為、20階層の階段がここから見えていたが突然火柱が上がり辺り一面が土煙で見えなくなった。


 ドシン ドシン ドシン ドシン


 大型の魔物の足音が響き渡る。


 チロチロ チロチロ


 土煙から姿を現したのは空気を舐める様に舌を出し、ゴツゴツとした鱗を持ち25メートルはある巨体で常に炎を纏った大きなトカゲの姿をしているサラマンダーだった。

 サラマンダーは討伐ランクがAの強敵だ。


「マジかよ・・・ん?」


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!


 アッシュのから多数の足音が聞こえて来た。


「・・・マジかよ」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ソフィア視点


「ソフィア!貴方は神殿の人に情報を伝えて!

 私はギルドに行くわ!」


 姉さんはそう言うと物凄い勢いで駆けて行った。

 私はそれを見届けながら神殿の受付に走り寄った。


 その様子に何か異変が起こったのかと神殿に居た冒険者達が注目していた。


「どうされましたか?」


 受付嬢はポカンとした顔をして問いかけて来る。


「ダンジョンの崩壊が始まったんです!物凄い数の魔物が下の階層から現れて!その内、下の魔法陣から魔物が転移して来ます!」


 ソフィアは混乱して要領の得ない話し方をしてしまったが、神殿の受付嬢はソフィアの言いたい事を理解したのか顔を青くしながら再度問いかけた。


「それは本当ですか!ダンジョンの崩壊が始まっただなんて!」


 受付嬢が大声を上げ確認をして来る。


「本当です!」


 それを聞いていた冒険者達が目を見開き聞いてくる。


「おい嬢ちゃん!どこのダンジョンだ!

 それと冒険者ギルドには報告は行ったのか!」


 私は間髪入れずに言い放った。


「ギルドには姉が行きました!場所はフィールド型の中級ダンジョンです!」


 それを聞いた冒険者達は大急ぎで中級ダンジョンに向かった。


 その道中こんな会話があった。


「テメェら!この街を滅茶苦茶にされたくなきゃ!!行くぞ!!

 冒険者ギルドの連中が来るまで持ち堪えるぞ!」


「「オオォォォォォォォ!!!!」」


 そんな会話をしているとは知らないソフィアは、神殿の神官長に冷静に話して欲しいと言われ、別室に通され情報を伝えていた。

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