旅の準備3

「二人して酷いわ」


「まぁそう言うな。それよりケーキを頼もうぜ」


「ごめんね、姉さん。ほら元気出して!

 姉さんは何食べるの?私はモンブラン」


 エイミーは二人に弄られた後、悲鳴を上げテーブルに突っ伏していた。

 そんなエイミーを見て、流石に弄りすぎたと自覚したソフィアとアッシュが慰めていた。


「・・・ミルクレープ」


「じゃあ俺はショートケーキにするかな。

 すみませーん、モンブランとミルクレープとショートケーキ、後は紅茶を3人分お願いします」


 アッシュはエイミーの食べたいケーキを聞いた後、店員を呼んで注文をする。


 それから暫くして、ケーキと紅茶が届き舌鼓を打っていると持ち帰り用のケーキが運ばれてきた。


「お待たせ致しました!お持ち帰り用のケーキになります!」


 専用のカゴに入れられたケーキが台車で運ばれてきた。


「ありがとう。さて、そろそろ帰るか。

 ソフィア、エイミー、ケーキを入れといてくれ。俺は会計を済ませてくる」


「・・・・・・・・・分かったわ」


「分かりました」


 アッシュはそう言うと立ち上がり、会計を済ませソフィアとエイミーを連れて店を出た。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 翌日


 チュンチュン チュンチュン


「ふぁ〜・・・よく寝た」


 アッシュは大きな欠伸をした後、寝ぼけた目で数秒フリーズし、一人呟く。


 そこに


「むにゅ〜・・・ご主人様ぁ♡そこだめぇ〜」


「・・・ご主人様ぁ♡大好きぃ」


 アッシュの両隣から悩ましい声が聞こえてきた。


「・・・・・・」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ふぅ、良い汗をかいたな」


「もう!ご主人様ったら!」


「全く!エッチね!」


「・・・いや、お前達だって俺が寝てる時に股ぐらで〇〇〇してたじゃ無いか。

 それに、お前達だって楽しんでたし良いじゃ無いか」


 アッシュの言葉にソフィアとエイミーは頬を赤く染め、髪は汗で濡れ額に張り付かせながら文句を言う。

 しかし、アッシュのカウンターを食い大人しくなった。


「ほら、風呂に入って朝飯を食べたら、肉屋のおばちゃんの所に行くぞ」


「むぅ、分かりました」


「・・・分かったわ」


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「毎度!!」


 肉屋のおばちゃんから、取り置きしてもらっていた商品を受け取り離れる。


「さて、後は八百屋に行って野菜を買ったら終わりだな」


「あっ、ご主人様」


「ん?どうした」


「野菜を買い終わったら、一度宿に戻っても宜しいでしょうか?」


「いいぞ、それじゃあ野菜を買いに行くか」


 アッシュはソフィアの提案を了承した後、市場の新鮮野菜を購入し宿にまた戻った。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「それで?戻ってきたは良いが、どうかしたか?」


 アッシュは部屋に備え付けてあった椅子に座りながら、ソフィアに問いかけた。


「はい、これから旅をするにあたって、必要な装備を今の内に作った方が良いのでは?と思いまして。

 それで早速何ですけど、焚き火で料理をするのも良いのですが、魔道コンロが有ればさらに美味しい料理も出来ると思いまして」

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