旅の準備4
「魔道コンロか、成程。
後はこの間ピクニックで張ったテントではなく、ちゃんとしたテントも作った方が良いな、ああ!そうだランタンなんかも作らなきゃな。
ありがとう、ソフィア。お前が気付かなきゃ、行き当たりばったりの地獄になる所だった」
改めて考えると、必要な物資が沢山浮かんで来て慌てるアッシュ。
そして、それを指摘したソフィアに感謝を伝え、3人で必要と思われる物資の話し合いをして、アッシュが作り出した。
「『スキル全生産 魔道テント 魔道ランタン
魔道コンロ・・・・・・』こんなもんか」
「そうね、それにしても魔道テントなんて凄いわね。ちょっとまずいんじゃないかしら?」
アッシュが作り出した数々の旅用品の中でも特に凄いのは『魔道テント』である。
見た目は少し大きめのテントだが、中に入るとキッチン、リビング、お風呂、寝室、空き部屋があるテントとはなんぞやと言わんばかりの性能である。
「確かに・・・ちょっとやり過ぎたか?でも、どうせ俺達でしか使わないから良いか」
「それもそうね、じゃあ大丈夫ね」
「キャアアア!!見て下さい!ご主人様!夢にまで見た魔道コンロですよ!」
エイミーとアッシュがテントを見ながら話していると、ソフィアが悲鳴を上げエイミーとアッシュを呼ぶ。
魔道コンロ、これもなかなかイカレている性能だった。
横幅二メートル、奥行き50センチも有り。三口コンロの他に下段には、一メートルの魚も楽々入る大型オーブンが有り、最早コンロとは言えない性能となっている。そして、これが持ち運び可能と言うのだから笑えて来る。
「・・・これも大概だな」
「貴族に売り込んだらとんでもない金額になりそうね」
「嫌です!コンちゃんは売りません!」
「コンちゃんって・・・」
ソフィアはエイミーの放った言葉に反応し、いつの間に付けたのか分からないが、『コンちゃん』に抱きつき絶対離さない意志を示す。
それを見たアッシュは、呆れた声を出しながらもう一つの問題作に目をやる。
「・・・魔道ランタン、か」
魔道ランタン
スイッチを入れれば、設定した範囲を明るくし結界を張れるランタン。
明かりだけを灯す事も出来るし、結界だけ張る事も出来ると言う是非とも旅をする時に持って行きたい逸品。
「・・・ご主人様?これで一儲け出来るんじゃないかしら?」
「う、うぅむ・・・太一さんと雪さんから貰ったこの力でそんな事をしたく無いな。それに、もし作っているのがバレて、しかも無限に生成出来ると知ったら何処の国も放っては置かないだろうし・・・まぁその時は反撃するけど、なんか悪役にされそうだしな。辞めておこう」
「それもそうね、旅をするのが目的なのに悪役にされて指名手配なんてされたら堪ったもんじゃ無いわ、ごめんなさい変なこと言って」
アッシュの言葉に、エイミーは本来の目的を思い出したのか反省をして、アッシュに謝罪した。
「なに、気にしなくて良い。
それに・・・嫌なんでもない。ほら!ソフィア!いつまでコンロにくっ付いているつもりだ!そろそろ仕舞うぞ!」(もし、俺が全生産スキルで荒儲けしたら雪さんに怒鳴られそう、なんか直感スキルがビンビンなってたし)
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おまけ
雪視点
『・・・ご主人様?これで一儲け出来るんじゃないかしら?』
「!?太郎!そんな事してみなさい!ただじゃ置かないわよ!お母さん怒っちゃうわよ!常に耳元に蚊の羽音を流し続けてやるんだから!
あとあと、まだ6時なのに『もう7時よ〜』って言ってやるんだから!」
「ははは!太郎ならそんな事しないだろ〜お父さん信じてるぞ〜」
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