別れ

「さて、さっき受付には明日で旅に出る事は伝えたし、明日はギルドとビッツさんの所に挨拶しに行けばやる事は終わりだな」


 ソフィアの『コンちゃん』や旅用品を仕舞い終わったアッシュが呟く。


「・・・そっか、ビッツさんにお別れの挨拶をしなきゃね」


「そうね、お世話になったものね」


「・・・・・・ちょっと、出かけてくる。

 お前達は自由行動だ」


「えっ、ちょ!ご主人様!?」


「・・・そっとして置きなさい、ソフィア」


 アッシュは『お別れ』と言う言葉を聞き暫く無言になった後、突然立ち上がり部屋を飛び出した。


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【ミア トール キール ここに眠る】


「・・・・・・・・・なんでお前達が魔神教の手助けをしていたのかは知らない、だがお前達と食った飯は美味かったよ、じゃあな」


 アッシュは墓場に来る間に買った酒と花束を供え、手を合わせて墓場を去った。


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 翌日


「ビッツ様、貴方のお陰で素晴らしいご主人様に出逢えました。ありがとうございます。どうかお身体にお気を付けて」


「・・・ビッツさん、今までありがとうございました。風邪を引かないように気を付けてください」


「二人の事は任せて下さい、ビッツさんが居なきゃこの街に着くのすら困難だったでしょう。ありがとうございます。また会ったら何か買わせて下さい」


 朝飯を食べた後、宿を出てビッツに会いに商館を訪れていた3人は、ビッツとの別れの挨拶をしていた。


「・・・旅立つのですね、ソフィア、エイミー、お前達は私の娘の様な存在だ、そんな二人に身体に気を付けろなんて言われたら風邪なんて引けないね。

 アッシュ様、どうか二人の事をよろしくお願いします」


 ビッツはアッシュに頭を下げ、ソフィアとエイミーの事を頼む。

 それにアッシュは真摯に答え、ビッツの元を去った。


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「よう!ジャスト!」


「ん?アッシュか!・・・行くのか?」


「ああ」


「そうか、じゃあギルド長を呼んでくるよ」


 ジャストはアッシュに質問し、その答えを聞くと立ち上がりバッカスを呼びに行った。


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「おう、アッシュ。出るのか」


「はい、今までお世話になりました。

 また機会がありましたら寄らせて頂きます」


「ハハハ!何を言うかと思えば、世話になったのはこっちの方だ!達者でな!」


 バッカスが受付に姿を現し、アッシュと別れの言葉を話し、別れた。

 もう会えなくなる訳ではない、お互い笑顔で別れアッシュはギルドを後にした。


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「さて、後は馬屋に行って馬を買ったら王都に向けて出発だ!」


「ようやくね、楽しみね王都」


「そうだね、姉さん。

 服とか見たいね!またご主人様をもっとカッコ良くしましょう!」


 各々王都への期待を胸に歩き出した。

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