旅の準備2
「さて、そろそろ良い時間だ、カフェに行っておやつにするか」
「そうね、早く行きましょう!」
「ふふふ、姉さんウキウキね」
肉屋を後にしたアッシュは、空を見上げ太陽の位置を確認するとポツリと呟く。
それを聞いたエイミーは、目を輝かせアッシュとソフィアを急かした。
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「いらっしゃいませ〜お好きな席へお座り下さい〜」
店に入ると、可愛らしい店員が間伸びした声で接客をする。
その声に従い、陽のあたりが良いテラス席に3人は座った。
「さて、取り敢えず持ち帰り分を注文してしまおう」
「そうね!すみませーん!」
「・・・姉さん」
アッシュの提案にエイミーは元気よく答え、店員を呼ぶ。それを見たソフィアは恥ずかしげに頬を染め姉を嗜める。
そんなやり取りをしていると、店員がメモを手にやって来た。
「は〜い!ご注文はお決まりですか?」
「注文は決まっているのだが、先に持ち帰りの注文をしても良いですか?ちょっと量が多いので・・」
そう言う店員に、アッシュは持ち帰りを先に注文したい旨を話す。
すると
「良いですよ!逆に沢山買ってくれるなんて嬉しいです!それじゃあお持ち帰りをお聞きしますね」
店員は笑顔で承諾し、メモを手に構える。
それを見たエイミーは目を輝かせ注文し始めた。
「えっと、イチゴショートを10個、モンブランを10個、チョコケーキを10個・・・・・・・・・・・・
以上よ!」
「はわわわわ!?こ、こんなに沢山!?うちは嬉しいですけど、食べ切れますか・・・注文して食べ切れませんでした、じゃあ捨てます。
なんて事にはならないですか?」
エイミーの注文した量に、店員はあたふたしながらも疑いの目を向けてきた。
やはり彼女も料理人だ、自分や自分の仲間が作った料理を捨てる人には売りたくないのが心情だろう。
しかし、こちらにはマジックバックがある。
「安心してくれ、あんまり公にしたく無いのだがマジックバックを待っていてな、だからその辺は心配無用だ」
「あっ、そうなんですね。すみません、疑いの目を向けてしまって・・・」
「気にする事はない、ここの料理人が料理と向き合っているのがよく分かる質問だった、道理でここのケーキは美味しいわけだ。
それじゃあ、最高のケーキを頼んだよ」
「はいっ!!任せて下さい!」
アッシュの説明にやっちまった!って顔をしたが、
その後のフォローにより笑顔を取り戻し、元気よく
厨房に戻って行った。
「・・・それにしてもエイミー、頼みすぎじゃ無いか?」
「そうかしら?でも良いじゃ無い、美味しいんだから」
「・・・姉さん、前も言ったけど。太ってご主人様の夜伽を指名されなくなっても知らないからね」
「!?ソ、ソフィア!?だ、大丈夫よ!ちゃんと運動もしてるし、もしちょっとだけ太ってもちゃんとダイエットするから!だ、だから捨てないで、ね、ご主人様?」
エイミーはソフィアとアッシュの言葉に動揺しながらも言い訳をするが、アッシュとソフィアの視線に耐え切れなくなったのか上目遣いでアッシュに問いかける。
「・・・・・・デブ専じゃ無いしな」ボソッ
その後、カフェにエイミーの悲鳴が響いた。
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