報告 〇〇視点

「・・・酔ってるな、まぁ良い。

 俺が聞きたいのはダンジョン崩壊に関する事だ。

 何か思い当たることはないか?本当はこんな時期にダンジョン崩壊なんて起こらないはずなんだ」


 バッカスは案の定ダンジョン崩壊の件に関して聞いて来た。


「思い当たる事ですか・・・別室でも良いですか?」


 俺は青の月の面々を思い浮かべ苦い顔をしてギルド長に提案する。


「ああ、それじゃ執務室に行くか」


「了解です、ソフィア、エイミーちょっとギルド長と話して来るから」


 バッカスは先に執務室を目指し歩き、アッシュは腕に密着しているソフィアとエイミーをやんわりと離し声を掛けバッカスの後に続く。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 パタン


 ギィィ


「それで、思い当たることがあるんだな?」


 俺が扉を閉めギルド長は革張りの椅子に座り問いかけて来た。


「ええ、19階層の中間辺りにいた時のことです、物凄い勢いで18階層を目指している団体が居たので不審に思い止めたのですが、その団体の中にまだFランクの青の月のメンバー全員が居ましてね、それに明らかに怪しい風貌をしていたので印象に残ってます」


 俺は淡々と報告したがギルド長は低ランクの青の月が中級ダンジョンに侵入した事に目を見開き驚いていた。


「青の月だと!それは本当か!

 それに怪しい風貌か、どんな格好だった!」


「怪しい連中は黒のフード付きマントを纏っていましたね、それにしても何故18階層を目指しているのかおかしいとは思わなかったんですか?」


 俺は怪しい連中の格好を伝え、何故18階層を目指していたのか聞かない事を疑問に思い問いかけてみた。


「黒のフード付きマントか・・・後半の質問については思わなかった訳では無い、話を聞いた段階で予想はしていた。

 どうせ、転移石を落としたとか言っていたんだろ?

 そんな怪しい連中だ、非公式な方法でダンジョンに侵入したのだろさ。

 それにしても青の月か・・・アイツら何に巻き込まれやがった」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 〇〇視点


「何!失敗しただと!」


 ガシャーン!!


 男は手に持っていたワイングラスを報告に来た部下に投げつける。


「申し訳ございません!ダンジョン崩壊は起こせたのですが、初級ダンジョンに居る筈の冒険者アッシュが何故か中級ダンジョンの19階層まで来ており、我々は驚きつつも、流石に万に届く魔物の群れにはなす術もなく死ぬだろうと思い放置したのですが、まさか魔物の群れを殲滅し更にはサラマンダーまで倒すとは誰も想像が出来ませんでした。

 本当に本当に申し訳ありませんでした!

 !」


 俺は自分より上の役職である大司教様に土下座をし、赦しを乞う。


「何!また銀狼が邪魔をしたのか!それに奴は初級ダンジョンに潜っているのでは無かったのか!

 奴に邪魔されない為に計画を早め、中級ダンジョンを崩壊させたと言うのに!クソが!クソが!クソがぁぁぁぁ!

 フッ〜!フッ〜!フッ〜!

 これでは邪神様が復活する為の生贄が用意できないでは無いか!!

 どうする、どうすれば良い!何とかしなければ本部に消されてしまう!」


 大司教と言われていた男は癇癪を起こしたかと思えば顔を蒼くし、ガタガタ震えどうにか挽回が出来ないかと考える。


「・・・大司教様、発言宜しいでしょうか?」


 俺は大司教様に発言の許可を求める。


「なんだ!役立たずが!何かあると言うのか!ここから挽回できる策が!」


 俺はその問いに。


「はい、ダンジョンでの作戦が駄目なら、地上でスタンピートを起こしましょう。

 ダンジョンの特徴は沢山の魔物が次々に現れるのが長所ですが、繁殖をせず経験が無い状態で生まれる為、地上の魔物より弱いのが短所です。

 しかし、地上の魔獣は繁殖し子供は親から知恵を学びダンジョンの魔物より賢く強いのが特徴なので、地上でスタンピートを起こせば街を崩壊させる事が出来なくとも生贄を回収する事は出来るのではないかと」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


どうも半額シールです。


いつも読んでくれてありがとうございます!


この度、異世界へが10万PVに達しました!

思い付きで書き始めたのがまさか10万PVなんて・・・本当にありがとうございます!


いつも読んでくださる方、コメントをくださる方、

星をつけてくれる方、♡をくれる方、本当にありがとうございます!


これからも読んで楽しい!続きが読みたい!と思える様な小説を書ける様に努力致しますので何卒よろしくお願いします!

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