スタンピートへ

   場所は変わり此処は冒険者ギルド。


「「「「「「かんぱーい!!!!」」」」」」


 冒険者ギルドに併設されている酒場に賑やかな声と共に大きな声が響いた後。


 ゴツ!!!!!


 木で出来たジョッキがぶつかる音がそこかしこで鳴っている。


「おーい!銀狼!お前すげ〜な一人で最下層から上がってきた魔物を全滅なんてよ〜」


「全くだぜ、まぁ俺は銀狼が初めてギルドに来た時からこいつはただもんじゃねぇとは思っていたがな」


「そりゃ〜全員思っていた事だろーが、新人潰しのザングを一捻りだもんな。

 しかし、最近見ねーよなザングの奴」


 様々な冒険者から言葉を投げかけられる。


「ククク、ああ、俺も厳しいと思ったが案外何とかなってビビってるよ。

 それにしても、ザングか懐かしいな。

 でも俺はザングが居なくなって良かったよ、アイツにはもう絡まれたく無いからな面倒だし」


 俺は話しかけて来た冒険者に話を合わせ、楽しく酒を飲み交わした。


「ご主人様、お代わりのエールです」


 ソフィアがエールのお代わりを持ってきて右腕に密着してくる。


「?ああ、ありがとうソフィア、どうした?そんなにくっついて」


 俺はソフィアに問いかけると、今度はエイミーが左腕にくっついて来た。


「ご主人様、おつまみを持って来たわよ。

 それと、ご主人様にくっ付いているのは周りの女に取られない為よ」


「おお、ありがとうエイミー。

 なんだそう言う事か」


 エイミーに密着している理由を言われて納得する。

 現に周りを眺めると獲物を発見したウルフの目をした女冒険者が此方を見ていた。


「おお、恐ろしい恐ろしい、ありがとな二人とも、愛してるぞ」 チュ チュ


 俺は周りの冒険者に見せつける様に、二人と熱い口付けをする。


「んっ、チュ・・・ぷはぁ、はぁ♡はぁ♡ごしゅじんさまぁ、私も愛してます♡」


「んっ、チュ・・・はぁ♡恥ずかしいわご主人様、でも私も愛してるわ♡」


 チィ!


 二人は頬を赤らめ、更に目を潤ませながら密着してくる。


 そんな3人を見て周りの男冒険者は目線で人を殺せるのでは無いかと思うほどに睨みつけ、女冒険者は舌打ちをしていた。

 ちなみに、男冒険者の中に受付であるジャストも入っていた。


「ハハハハハ!ほらお前たち!此処は俺の奢りだ!

 好きなだけ飲め!」


 俺はそんな冒険者たちを見て大爆笑しながら、此処は俺の奢りだと宣言すると。


「流石はアッシュさんだ!」

「おい!おめーら何アッシュさんの事を睨んでんだ!」


 見事に手のひら返しである。

 あちこちでエールのお代わりの声が止まらない。


「アッシュ!ちょっと良いか!」


 皆んなと酒を飲み交わし交流を深めているとギルド長であるバッカスが声をかけて来た。


「どうしました?」


 俺はある程度呼ばれた理由を勘付きながらも酒も入っていたせいか、とぼけながらバッカスに近づく。


「・・・酔ってるな、まぁ良い。

 俺が聞きたいのはダンジョン崩壊に関する事だ。

 何か思い当たることはないか?本当はこんな時期にダンジョン崩壊なんて起こらないはずなんだ」


 バッカスは案の定ダンジョン崩壊の件に関して聞いて来た。

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