スタンピード11

「ガンツ!無事か!」


「ああ、だがコイツ強過ぎるぞ!俺の攻撃でもびくともしねぇ、なんなんだコイツ。

 普通のドラゴンだったら苦戦はしても倒せる筈なんだがな!」


「・・・ガンツの攻撃でびくともしないか、さて、どうするか」


 レインはガンツに駆け寄り戦闘に参加するが、ガンツが持っている大剣ですらドラゴンの鱗を砕く事さえ出来ず途方に暮れていた。


『グルルルルルル』


 ドラゴンはそんな人間を嘲笑うかの様な声を出し、二人の人間を見下ろす。


 そこへある声が響く。


「ん?なんか知らない人が居るんだが」


「「ん?」」


『グォ?』


 その声にガンツとレインの戸惑いの声が口から溢れ、ドラゴンは何故殺した筈の人間が、目の前にいるのか理解できず首を傾げる。


「おい!お前たち!銀狼が生きていたぞ!!!」


「おお!ジャスト!心配させて済まんかった!」


「全くだ!とっととドラゴンを倒してしまえ!」


「了解!」


 アッシュの姿を見たジャストが周りの冒険者と騎士達に生存を伝え、士気の向上を図りながらアッシュに早くドラゴンを倒せと言う。


「君も手伝ってくれるのか!もの凄く助かる!」


「その若さでドラゴンを相手にできる力か!面白い!力を貸してくれ!」


「・・・そんなに切羽詰まった様な言い方しなくて良いですよ、直ぐに終わらせます。

』」


 レインとガンツはアッシュの若さに驚き、見ただけで強者と分かり助力を願うが、アッシュはそれを笑って流し『神気』と言うスキルを使用した。


 するとアッシュ体から、うっすらと金のオーラが湧き出て、手に持っていた蛇骨の刀身が金色に光る。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 時は少し遡る。


「・・・良し、早く戻ろう」


 アッシュは二刀流のスキルポーションを作り終え、レオンハルトの元へ戻ろうとした時。


『あ、あー、あーテステス聞こえてる?』


「!?た、太一さん!聞こえてますけどどうしたんですか!」


『ふふふ、ちょっと気になる事があって神託を下したんだよ、今スキルポーションを作ったよね?

 出来れば『神気』って言うスキルポーションも作って欲しいんだけど・・・これが有ればスタンピードなんて余裕で対処できると思うよ、まぁ使うか使わないかはアッシュ君、君が決めれば良いよ。

 じゃあスタンピード頑張ってね〜。

 あ!無駄だと思うけど、強い敵には先ずは鑑定系のスキルを使用する様に!』


 そう言うと太一の気配が消えた。


「『神気のスキルポーション作成』これで良いな。

『鑑定』・・・うわぁ、、、えぐ」


【神気】


 神を名乗るのに必要な力。

 この力を持っていなければ幾ら強くとも神と名乗る事は許されず、対等に戦うことすら出来ない隔絶した力を持つスキル。

 持ち主の性格や趣味により最適化し進化をする特殊なスキル。


 効果


【未来予知】

【神眼】

【神域】

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 これが神気スキルのスキルポーションを作った経緯であった。


「あ〜なんで蛇骨で斬りつけたのに傷ひとつ付かないのか理解出来たわ、そう言う事か。『神眼』」


【邪竜 サタン】


 神話の時代に残虐非道な行いを数多く行い、名を馳せたの一体。

 殺す事が出来ずある森に封印されたが、邪竜が垂れ流していた邪気により強力な魔物が跋扈する森に変わり、封印の管理を任された人間の村が滅び封印が解け顕現したドラゴン。

 倒すには『神気』スキルが必要。


「うわ、凄いな。

 流石は太一さん、これを予知していたのか流石は神だな、俺が舐めプして吹っ飛ばされるのを予知したのか。

 まっ、今回は使うけど普段は使わなければいいか、それにしても、鑑定と神眼の違いってなんなんだ?『鑑定』」


【神眼】神気の標準スキル。

 

 神を鑑定出来るスキル。

 普通の鑑定スキルだと文字化けし、正確な情報が得られないが、神眼だと正確な情報が得られる。


 ※神気を纏わないと使用できない。


「なるほどな。さて、さっきは世話になったなサタン!借りを返しに来た、行くぞ!」

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