スタンピード10
「ハァハァハァ!くそっ!硬すぎんだろ!」
「ガハハハハハハハ!!!勝てる気がせんなぁ!
どうする!バッカス!」
場所は変わって、バッカスとカールがドラゴンと死闘を繰り広げている
「どうするって言ったって、アッシュが帰って来るまでの足止めしか出来ないですよ閣下」
「ガハハ!そうだよな〜。
それにコイツ、わざと手加減してやがる。とっととブレスを撃てば良いのによ」
「死に体の我々なんかどうでもいいのでしょう」
二人はドラゴンを相手に善戦していた。
しかし、バッカスとカールの身体はボロボロだった。
バッカスは身体中から血を流し、左腕が千切れていて、カールは、四肢は無事だが頭部を守る兜はひしゃげていて、頭から血を流し、胴体を守る鎧にはドラゴンの爪後がしっかりと残っており、夥しい量の血を流している。
『グォォォォォォォォォォォ!!!!!!!』
ドラゴンは己の勝ちを確信し雄叫びを上げる。
「むぅ、ヤバいな、団員達も疲れが見え始めている、このままではジリ貧だ」
「ハァ・・・ハァ・・・ま、まだ、王都からの・・・援軍は来ないのか・・・ハァ・・・」
「バッカス・・・すまん」
「謝らないで下さいよ閣下・・・いや、カール。
そこは、ありがとうだろ・・・ハァ・・・」
魔獣の群れを相手にしている冒険者やヴァリア騎士団の消耗は激しい、バッカスとカールが抜け、ソフィアとエイミーは戦線離脱、間抜けな理由で戦場から離れたアッシュ、抜けた戦力が大き過ぎる。
『グォォォォォォォォォォォ!!!!』
ドラゴンはトドメを刺そうと前足を振り上げた。
その時!
ギャリギャリギャリ!! ズドン!!
「お待たせ致しました、ヴァリア卿」
「オリャャャャャャャャャャャ!!!!」
ガギン!!
レイピアを持った細身の優男がドラゴンの攻撃を往なし、カールに話しかける。
そして、別の大男が大剣を横に振り、ドラゴンを遠ざける。
『グララァァァァ!!!!』
ドラゴンはトドメを刺すのを邪魔され、怒りの声を上げる。
そこへ
「放て!!」
「テメェらも撃ちやがれ!!」
レイピアを持った金髪の長髪をポニーテールにした優男と、大剣を軽々持ち上げている茶髪の短髪に筋肉の塊と言っても過言ではない体を持つ大男が、よく通る声で命令を下すと、王都から援軍に来たペガサス騎士団と竜騎士団が多種多様な魔法を上空からドラゴンに放つ。
『グォォォォォォォォォォ!!!!』
ドラゴンは、全ての魔法を鱗で弾きながらも嫌そうに身を捩り怒りの声を上げる。
大男はそんなドラゴンに追撃を仕掛け、優男はカールに駆け寄った。
「遅かったではないか、レイン団長」
「申し訳ありません、馬鹿貴族に足止めを食らいまして。後は我々に任せてヴァリア卿はお下がり下さい。そちらの方もお下がり下さい」
「クソ貴族めが!でも良く来てくれた!助かったぞ!後は任せた!バッカス!まだ生きてるか!
生きてたら、撤退するぞ!」
「あ、ああ、まだ生きてるよ。
すみません、後は頼みました」
「ええ、間に合って良かったです。それでは!
・・・お前達は他の魔獣を相手にしろ!ドラゴンは私とガンツが相手をする!散開!」
カールはレイピアを持った優男をレインと呼び軽口を叩く、するとレインは頭を下げ遅れた理由を話し謝罪すると、カールは怒りを露わにしながらも援軍に来てくれた事に感謝し、バッカスと撤退する。
それを見届けたレインは、竜騎士団とペガサス騎士団に指示を出し自らもドラゴンに突撃していった。
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