スタンピード9 魔神教 大司教視点

「『悪魔召喚 アドラ』」


 アッシュは悪魔召喚を行うと、地面に禍々しい魔法陣が現れ、魔法陣から生える様に頭が馬で身体が人の悪魔が現れ、口を開いた。


「我を召喚したのは貴様か」


「ああ、そうだ。

 お前にプレゼントがあってな」


「ほう、我に生贄を捧げるか。

 ・・・どれだ?」


アドラは周りを見渡しアッシュに問いかける。


「俺を除く、全部だ。

 それと同時に、俺の願いを聞いて欲しい」


 アッシュがアドラと話していると。


「ま、待ってくれ!助けてくれるのでは無かったのか!い、生贄ってなんだよ!」


「『呪言』黙れ人間・・・これで話しやすくなったな。で?願いはなんだ」


 ペドロは、悪魔の命令で喋ろうとしても、口が何かに押さえつけられて動かない。


 それに、冷や汗を流しながらアッシュは答える。


「ああ、コイツらを出来るだけ殺さずに苦痛を味合わせて殺して欲しい」


「ククク、クククク、グガハハハハ!!!!!!!

 それが願いか!分かった!良いだろう!

 熱々の金属で覆い、火で炙り、ククク、楽しみだ」


 アッシュの願いに、アドラは大笑いしアッシュの願いを聞き入れる。


 すると


「ん〜!ん〜!」


「なんだ?俺がいつお前を助けるなんて言った?

 お前たちは青の月に何をした?

 死んだ方がマシだと思える程の苦痛の中で・・・・死んでいけ」


 ペドロたちは押さえ付けられて、喋れないなりに抗議の声を出すが、アッシュは助ける、奴隷にする、なんて一言も言っていない。

 それを説明され、絶望する。


「じゃあな、アドラ」


「うむ、さて早速魔界に帰ろうか・・・久々のオモチャだ、そう簡単には壊さん。

 ではさらばだ」


「ん〜!ん〜!」


 アドラはアッシュに別れの言葉を言うと、魔神教の集団と一緒に消えた。 


「さて、戻ろう」


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 魔神教 大司教視点


「遅い!ペドロ司祭達は何をしておる!」


「私が確認して参ります」


「頼んだぞ!バール司教!」


「はっ!『千里眼』」


 大人数で移動すると怪しまれる為、何チームかに別れて移動をしていた様だが、ペドロ司祭達が時間になっても来ない事に大司教は腹を立て大声で叫ぶ。

 それを見たバールと呼ばれ男は、ペドロ司祭達の現在地を確認する為、千里眼を使った。


 すると


『ガァァァァァァァァァァ!!!!

 だのむ!だずげでぐれー!!』


 ジュゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!


『ギャァァァァァァァァァァ!!!!』


 この世の物とは思えない拷問器具がある部屋が映し出され、そこでペドロ司祭達が馬の頭を持った化け物に、赤く光った金属の様な物を乗せられ絶叫している。


「な、なんだよ、、、これ」


『グガハハハハ!!!あの銀髪の人間には感謝しかないわ!オモチャを渡し、それを殺さぬ様に遊ぶだけが望みだとは!グガハハハハ!!!!

 ほれ!まだまだこれからだぞ!』


「ぎ、銀髪、、、大司教様、今すぐここから逃げた方が宜しいかと」


「?何故だまだペドロ司祭達が来ていないではないか」


「それが・・・」


 バールは自分が見たままを大司教に伝え、ペドロ司祭達はもう助からない事を伝えた。


「な、銀狼はスタンピードに付きっきりでは無かったのか!・・・いや、待てよ銀狼がスタンピードを止めていないという事は、街は大ダメージを受けている事になるかも知れん!

 ぐふふ、これは回収班からの報告が楽しみだ!

 ・・・聞け!ペドロたちは諦める!このまま支部のクリス共和国へ向かう!」


 大司教は今回の計画が、ペドロ達の犠牲だけで上手くいきそうな事を喜び、高笑いしながら歩き出す。


 アッシュの最終目的地が、クリス共和国なのはまだ知らない。

 そこで何が起こるのか神さえも知りはしない。

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