スタンピード8

「どこここ」


 アッシュは辺りを見渡し呟く。


 すると後方から声が聞こえた。


「ぎ、銀狼!?な、なぜここが分かった!」

「う、嘘だろ、なんで銀狼がここに!?」


 黒いフード付きマントを纏った集団がそこに居た。


「・・・おい、お前ら、確かダンジョンの中にいた連中だよな?どうしてこんな所に居るんだ?

 それと、青の月の連中が見当たらないのだが、何か知ってるか?それに、俺がここにいてはダメなのか?」


「い、いや、そう言う訳じゃない。

 銀狼はスタンピードの対処をしていると思っていたから「バカ!」・・・あっ」


「ほぉ、スタンピードを対処しているねぇ。

 どう言う」「シッ!」


 キン!


「なんだ?これは」


 アッシュは黒マントの集団の正体に気付きつつ、探りを入れる為に色々質問をすると、黒マント集団がボロを出し、それを追求しようとしたアッシュに斬り掛かってきた。


「散開!銀狼を殺せ!」


「死ね!」「シッ!」「サンダーアロー!」etc


 アッシュ目掛けて様々な攻撃が殺到する。


「『金剛』」


 ドカン!バリバリ!


「やったか!」


「まだだ!警戒しろ!」


 アッシュの居た場所が土煙で覆われたのを見て、盛大なフラグを立てたが、他の黒マントに警戒を解くなと怒鳴られ、気を引き締める黒マント集団。


 土煙が晴れると・・・アッシュは無傷のまま立っていた。


「・・・お前ら、魔神教だな。

 答えろ、青の月をどこにやった」


「ひっ」


「どうした?答えられないのか?はい、いいえ、どっちだ」


 土煙の中から現れたアッシュは、鬼の形相で地の底から響く様な声で問いかける。


 すると、魔神教の集団は怯えて声も出せず、アッシュが無意識に出している覇気で尻餅をつく。


「ま、待て銀狼!青の月の連中を殺したのは俺たちじゃない!信じてくれ!」


「本当か?」


「ほ、本当だ!」


「じゃあなぜ、死んだと知っているんだ?

 俺はどこにやったか、見当たらない、としか言っていないが」


 アッシュは、魔神教のリーダー格に失言をしている事を丁寧に教えてあげると、顔を真っ青にして命乞いをする。


「はぁっ!はぁっ!ち、違う、頼む、た、助けてくれ、なんでもする、俺だけ、俺だけで良いから!助けてくれ!アッシュ様!

 俺も、奴隷になる、だから、な、な、助けてくれ!」


「な!ペドロ司祭!そ、そんな!

 お、俺も奴隷になります!た、助けて」


「お、俺も!」「俺も!」「俺も!!」

「俺だって!」


「へぇ、お前たち、なんでもするのか?」


 アッシュは、魔神教の集団に真顔で問いかける。


「ハァ!し、します!しますします!なんっでもします!だから助けてください!」


「俺たちもします!」


「そうか・・・・・・『悪魔召喚魔法のスキルポーション作成』・・・良し」


「へぁえ?あ、アッシュ様?な、なんですかそれ?」


 ペドロと呼ばれていた男は、目の前で高価なスキルポーションを作り出したアッシュの力におかしな声を上げ、アッシュに問いかけるがアッシュは気にせず作業を続ける。


「ククク、気にするな。

『悪魔召喚 アドラ』」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る