スタンピード7

 カール視点


「お前たち!レオンハルトを頼んだぞ!」


「「ハッ!!」」


「ッツ!分かった!・・・行くぞ!お前たち!」


 カールはヴァリア騎士団にレオンハルトを託し、レオンハルトは唇を噛み、震えながら騎士を数名引き連れ城門に向かった。


「全く、酷い人ですね、閣下?」


「何の事だ」


 バッカスは、カールの言動に苦笑いしながら近づき声をかける。


「素直に言えば良いものを、息子に生きて欲しいと」


「ふん!知らん!そう言うお前はどうなんだ?

 お気に入りの風俗嬢が居るらしいじゃないか?

 ん?ん?どうなんだ?」


「ええ、俺は獣人族のミケちゃんの為に戦うんです」


「んぐっ、やけに素直だな」


「ええ、ミケちゃん最高、ミケちゃん可愛い、ミケちゃん、ミケちゃん、ミケちゃん、ミケちゃん」


「・・・キモいな!その顔で店に毎日の様に来るなんて恐怖でしかないわ」


「酷いですね、まぁ、お互い守る者の為に全力を出し切りましょう、閣下」


「ガハハ!そうだな」


 カールとバッカスは、最後かも知れない自由時間を軽口で楽しみ、ドラゴンと向き合う。


「さぁ、行くぞ!『身体超強化!』」


「了解!『金剛!』『身体強化!』!


 カールは腰に差した騎士剣を抜き放ち、身体超強化を使いドラゴンに突撃し、バッカスは金剛を使い肉体強度を高め、身体強化で身体能力を上げ、生身でドラゴンに突撃した。


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 ソフィア視点


 カールとバッカスがドラゴンに突撃している頃。


「そ、そんな、ご主人様」


 ソフィアはアッシュのいた場所を見つめながら、声をこぼす。


「いやー!!いや!ご主人様いや!いや!」


 ソフィアは、自分を救ってくれた最愛の主人が居なくなり錯乱状態になっていた。

 耳を手で塞ぎ頭を左右に振り、イヤイヤと叫びながら座り込んでいる。


 ソフィア戦線離脱


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 エイミー視点


 カールとバッカスがドラゴンに突撃している頃。


「う、嘘よ、ご主人様」


 エイミーは強力な魔獣の前なのを忘れ棒立ちになる。


「避けろっ!」


「えっ」 ブガァァ!!


「グハッ!」


 ヴァリア騎士団の一人に警告されたが、魔獣の攻撃の方が早かった。

 エイミーは、オークジェネラルの攻撃で数十メートル後方まで吹き飛んだ。


 エイミー戦線離脱


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 アッシュ視点


「逃げろ!銀狼!ドラゴンブレスだ!」


 バッカスがアッシュに警告するが。


 グガァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!


 ドラゴンブレスの方が早かった。


「くっ!『結界!』グゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」


 アッシュは直ぐに結界を張ったが踏ん張らずに結界を張った為、炎のビームの威力が強く徐々に後退させられ吹き飛ばされてしまう。


「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」


 魔獣の群れを突き進み、山を貫通し、ようやく止まった。


「いや、威力強すぎだろ。

 結界が壊れなくて良かったな、骨すら残らんだろあれ。

 ・・・それで、え〜と」


 アッシュは辺りを見渡し一言呟いた。


「どこここ」

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