スタンピード6
「行くぞ!蛇骨!『縮地』・・・ッツ!」
アッシュは蛇骨を下段に構えながら、ドラゴンの足元に潜り込み、足を斬りつけるが。
ガキン!!
流石はドラゴン、業物で有る蛇骨の刃ですら傷一つ付かない。
「チィ!?危ねぇ!『縮地』!」
ズドォォォォォン!!!ズドォォォォォン!!!
ドラゴンは足元に潜り込まれ、足を斬りつけられた事に気付き、その場で足踏みをしてアッシュを遠ざける。
フゴォォォォォォォォォォォォ!!!!
アッシュは縮地でドラゴンから離れたが、ドラゴンはアッシュの動きを目で追い、大きく息を吸って
口を開ける。
「逃げろ!銀狼!ドラゴンブレスだ!」
バッカスが大きな声でアッシュに忠告する。
しかし
グガァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!
ドラゴンブレスを放つ方が早かった。
体長50メートルは有る巨体から放たれる、絶対的強者の十八番で有るドラゴンブレス!
凄まじいスピード!凄まじい熱量!地面を溶かし赤く輝くブレスがアッシュのみならず、アッシュの後方にまで突き抜ける。
幸い、アッシュの避けた方向が街の方向ではない為、ドラゴンブレスは魔獣達に向かった。
「「銀狼!!!」」「アッシュ!!」
「「ご主人様ぁぁぁぁぁ!!!」」
カールとバッカスが、レオンハルトが、そして、ソフィアとエイミーが、アッシュのいた場所に目を向けながら叫ぶ。
グガァァァァァァシュュュュュ!!!
ドラゴンブレスの終わり、圧倒的強者による圧倒的攻撃が今終わった。
アッシュの後方にあった魔獣の群れが消え去り。
アッシュの後方にあった山に穴が空く。
そして・・・そこにアッシュは居なかった。
ドラゴンは勝鬨を上げる。
グォォォォォォォォォォォ!!!!!
「そ、そんな、ご主人様・・・」
「う、嘘よ、そんなご主人様」
ソフィアは城壁の上で膝を付き震え。
エイミーは信じられないと頭を左右に振りながら震える。
「チィ!お前たち!死ぬ気で魔獣を止めろ!それとレオンハルト!お前は城門を守れ!
それと、バッカス!一緒に死んでくれ!」
「ハァ、仕方ないか、付き合いますよ閣下。
冒険者達も他の魔獣を止めろ!」
カールは、アッシュの存在が消えた途端、部下のヴァリア騎士団に魔獣の対処を任せ、レオンハルトには城門まで戻れと指示し、バッカスとドラゴンの足止めをしようと声をかける。
その声にバッカスはため息を吐きながら、死地へと足を踏み入れる事を覚悟し、最後の指示を冒険者全員に出す。
すると
「ま、待ってよ!父さん!なんで俺だけ戻るんだ!
俺も戦う!」
レオンハルトは父で有るカールからの指示に納得出来ないのか、食って掛かる。
そんなレオンハルトに、カールは鬼の形相をして
レオンハルトに言葉をぶつける。
「ダメだ!ヴァリア家の嫡子をここで死なせる訳にはいかん!
ドラゴンは誰が止める!俺とバッカスしかおらん!確実に勝てん!
そうすると、今度は他の魔獣達の相手が手薄になる!だから、城門を守りながら生きろ!俺が死んだ後、誰がこの街を統治する!お前しかおらん!
良いか!レオンハルト!逃げるのは恥ではない!
生きろ!ここは俺たち!年寄りの戦場だぁぁぁ!
それに、何も死のうとは思っては居ない!
スタンピードが始まってすぐに、王都から竜騎士団とペガサス騎士団の派遣を要請した!
もうじき来る!それまで耐えれるかどうかだ!
お前たち!レオンハルトを頼んだぞ!」
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