心の叫び
「こちらになります」
ビッツについて行くとある部屋の前に案内された。
コンコン
「入りますよ」
「どうぞ」
ビッツがノックをすると、中から淑やかな声が聞こえた。
ガチャ
すると中には2人の少女が居た。
しかし余りにも痛々しい姿に目を見張る。
「アッシュ様、こちらがソフィアと、エイミーでございます。
ソフィア、エイミーご挨拶なさい」
「初めまして、ソフィアと申します。
申し訳ありません、醜いかと思いましたがお客さまにご挨拶するのに顔を隠すのは失礼に当たると思いまして」
ソフィアは茶髪のロングヘアでスタイルは抜群に良い、だが顔がぐちゃぐちゃだった。
「・・・私はエイミーです」
エイミーは茶髪のポニーテールでこちらもスタイルは抜群だが胸はソフィアより小さい。
二の腕あたりから腕がなく、顔にも多数の傷があった。
「俺はアッシュだ、料理と戦闘が出来る奴隷を探している、よろしく」
俺がそう言うとエイミーが言う
「その条件でなんで私たちが選ばれるのですか?この身体が見えないのですか?
それとも、私たちを笑いに来たのですか?
だったら相当なクズですね貴方」
「申し訳ありませんアッシュ様。
姉さんそんな事を言っては駄目ですよ、
ビッツ様がそんな事を許す訳ないでしょ。
何か、訳があるんじゃないですか?」
エイミーは、こちらを馬鹿にして笑ったが、
ソフィアに怒られ大人しくなる。
「アッシュ様やはりこの2人を冒険には連れてはいけません、諦めて貰えないでしょうか」
ビッツが懇願してくる。
「いや、俺の直感スキルがこの双子を買えと囁いて来る、だが確かに冒険には連れてはいけないな。
ビッツこの2人の傷と欠損を治せば売ってくれるか?」
俺がそう言うとビッツが、
「それは勿論構いませんが、四肢の欠損や目の欠損を治すのは大司教クラスの方にしか扱えない回復魔法を掛けて貰うしか無いですよ。
流石に無理なのでは」
ビッツはこちらを見て困惑する。
「俺の」
「期待される様な事言わないでよ!!!!!!!」
エミリーが叫びながらこちらに詰め寄ってくる。
「貴方!!どれだけ私たちが辛いか分かる!?
わかる訳ない!!どれだけこの傷を治したいと思ったか!!それをぽっと出の男が治す?
訳わかんない事言って私たちを期待させないでよ!!!どれだけ、私たちが辛いか、辛いか」
グスッ
「おねぇちゃん」 グスッ
「最後まで聞け、俺の泊まってる部屋にエリクサーがある。
俺は冒険者を目指していたから怪我は付きもの、故にエリクサーを手に入れる機会が有れば金に糸目を付けずに買っていたから2本有る。
それを使えば元通りになる、そしたら俺に尽くしてくれないか?」
「嘘だ、嘘に決まってる、もう期待させないで頂戴もう妹を悲しませないで頂戴。
・・・でも、もし本当だったら貴方に尽くします
だから、ソフィアを助けて頂戴」
エミリーが声を掠れさせながら言う。
これだけで妹想いのいい姉だと言うのが分かる。
「私も、尽くします。
だから、おねぇちゃんを助けてください、お願いします」
「俺は2人とも助けるんだ、どちらか1人だけじゃない、待ってろ直ぐに助けるさ」
俺は2人を安心させる為笑顔で答える。
「ビッツさん、俺は一旦宿に戻るよその間に、
2人の服だったり諸々準備を頼むよ」
「分かりましたお任せください。
本当にありがとうございます」
ビッツさんが感謝する。
「気にしなくて良いですよ、これは俺のためなんですから、それじゃお願いしますね」
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