双子の欠損奴隷
「お茶をお持ちしました」
商談室に案内されてすぐ、綺麗なメイドがお茶を運んできた。
そして、俺の前にお茶が来たのを確認してビッツは、俺に問いかけて来た。
「アッシュ様は、どの様な奴隷をお求めですか?」
「そうだな、まずは戦闘経験がある者、料理が得意な者、女であること、そして最後に美人であること
だ、取り敢えずこんな感じかな。
もし、値段が高く付くならキープして置いて欲しい、金には当てがあるからな」
俺は、ビッツに希望する条件を告げた。
「なるほど、確かに全ての条件を満たすと高くつきますな。
取り敢えず、条件に当て嵌まる奴隷を連れて来ましょう、少々お待ちください」
そう言うとビッツは、俺を残して出て行った。
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「う〜んダメだな」
最後の一人が退室して行った。
「どれもダメでしたか、申し訳ございません」
ビッツが頭を下げて来る。
「いや、頭を上げてくれビッツさんが悪い訳じゃない俺が我儘なだけだから」
慌てて頭を上げさせる。
正直言って紹介された奴隷は、皆綺麗だった。
しかし、料理は出来ても戦闘をした事がないなど、料理は出来ないが戦闘は出来るなど、やはりどっちかになってしまう。
両方買えば良いのだろうが、今度は手付金が足りない、そして一番の理由が直感スキルが駄目だと叫んで居る事が原因だ、もっと良い奴隷が居ると叫んでいる。
「ビッツさん、他に居ませんか?
何か訳ありな奴隷とかそっちの方で該当する奴隷は、居ませんか?
訳あり奴隷だと安いだろうし、2人くらいなら買えるかも知れませんし」
そう言うとビッツが渋面を作りながら言った。
「確かに居るには居るのですが、余りにも四肢の欠損が激しく、お見せするにはなんとも」
「詳しく聞かせてくれないか?」
そう言うとビッツは、ため息を吐きながら答えてくれた。
「そこまで言うのでしたらわかりました。
今から紹介する奴隷は双子なのですが、
私が奴隷を買い取りこの都市に輸送していた時の事です。
私は村などを周り食い扶持を減らす為、奴隷になる事を了承した者を買い取って販売しているのですが、その日は双子の奴隷以外、買い取りがなかった為少し早めにキールを目指していたのです。
その日はいつも護衛を頼む冒険者パーティーの1人が体調不良により1人かけている為、依頼を受けられないと言われ、渋々別の冒険者に依頼を出して護衛を頼んだのですが、それが不味かった。
奴らは、警戒しているフリをしていただけだったのです。
そして案の定、ウルフに奇襲され戦う事もせずに逃げ出し、私は死を覚悟しました。
しかし、こんな所で死にたくなどない為、護身用の剣で応戦しました。
そしたら荷台に乗っていた双子に目をつけられ、片方は腕を、もう片方は目をやられてしまいました。
私は双子を庇いながら応戦していると、通りがかった冒険者が助けてくれましたが、双子はもう売り物にならないくらいになって居ました。
これが、双子の欠損理由です。
一応売り物として置いておりますが、彼女たちが酷い目に遭ったのは私が護衛役をちゃんと、選定しなかったのが悪かったのです。
故に彼女達が死ぬまで面倒を見ようと決意しております。
いかが致しますか?申し訳ありませんが買い取って直ぐに死んだなんて事になれば、私は貴方を恨まずにはいられない」
ビッツは、苦しそうな表情で双子の事を話し終えた。
そして、俺がもしその双子を死なせたら恨むと。
だが、直感スキルが双子を買えと囁いて来る。
俺は、ビッツに双子を見たいと告げる。
「ああ、ビッツさんその双子に興味が湧いた、
是非見せてくれ」
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