スタンピード13

「ククク、どうだ?神気で強化された蛇骨の毒は?」


 アッシュはニヤつきながら、サタンの問いかけに答える。


『毒だと!【神治癒】【神速】。

 ガハハハハハハハ!!!!わざわざ自分から種明かしをするとは!バカめ!

【神竜爪】【神竜牙】次は我から行くぞ?精々楽しませろ』


 サタンは自分を蝕んでいる毒と傷を治し、神速でアッシュから離れると、神竜爪と神竜牙と言うスキルを使用し攻撃力を高めアッシュに飛び掛かった。


 ズドォォォォォ! ズドォォォォォ!

    ズドォォォォォ!  ズドォォォォォ!

 ガギンィ!      ガギンィ!

      ガギンィ!     ガギンィ!


 何度もぶつかり合う!サタンの右腕、下方向から繰り出される攻撃に対して、アッシュの斬り下ろしがぶつかり合い、多方向に衝撃が行きクレーターが出来上がる!


 次はアッシュから仕掛ける!

 空間魔法で空中に幾つもの足場を作り上げ、立体的に攻撃する!首を撫で斬り、体を、翼を、目を尻尾を斬りつける!

 しかし、刺突と斬撃では突破力が違う為、全て弾かれてしまう!


「【空間魔法】!チッ!【縮地】!ハァッ!!!【縮地】!どうせ!神眼で毒だって分かってたろ!クソトカゲ!」


『まだ我の事をトカゲと言うか!!【神硬化】!』


 サタンは爪を牙を尻尾を使いアッシュに攻撃し、アッシュは縮地を使いながらヒット&アウェイを繰り返しながらサタンの猿芝居を見抜きバカにする。

 それに、サタンは怒りますます攻撃が激化する。


『ええぃ!ちょこまか鬱陶しい!!』


「どうしたよ!!人間には負けないとかいっていたなぁ?殺してみろよ!

 ほら!行くぞ!【神刀流 領域・絶】!

 ・・・尻尾は貰ったぞ!」


 ズバンァァァァァァァァァ!!!!!!


『グルゥガァァァァァァァァァァァ!!!!!

 貴様ァァァ!!!!』


 サタンは矮小な人間にここまで苦戦させられ怒り狂う、それが仇となった。

 アッシュのカウンター技【領域・絶】により尻尾での攻撃に合わせられ尻尾が切り飛ばされる。


 サタンは突然の激痛に苦悶の声を上げアッシュから離れ、怒りの声を上げる。


「ははは!怒ると攻撃が短調になるな!トカゲ!」


『フゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!

 黙れぇぇぇぇ!!!!!!

【神気 サタナエル】!!!!!!!!!!!』


 アッシュはニヤつきながらサタンを煽ると、サタンの気配が異質な物に変わった。

 サタンは独自の進化を遂げた神気を使い、身体が赤く輝き、神気のオーラが赤く変化する。


『グガァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!』


 サタンの目には理性が消え、怒りで燃え上がり真っ赤に光っている。

 それだけじゃ無い、爪、牙、角、鱗、全てが赤いオーラを放ち尋常じゃない程の熱を放ち、地面が融解

 し辺り一面がマグマと化す。


「チッ!精霊よ!俺の足場を固めろ!」


 バキバキバキ!!


「ひ、引けぇ!!!引けぇ!!巻き込まれるぞ!」


 アッシュは極力魔力を使わずに地面を固める為、精霊魔法を使い地面を凍らせる。

 それとは別に、サタンのマグマガハハ辺りに広がり、巻き添えを喰らうまいと騎士団、冒険者が撤退して行く。


「おい!アンタらもとっとと逃げろ!足で纏いだって分かったろ!」


 アッシュはそう言うとガンツとレインの結界を解き、撤退を促した。


「ぐっ!すまない少年!後は頼んだ!城門付近の魔獣は私達に任せろ!」

「年下に強敵を任せるしか無い自分に腹が立つ!

 死ぬな!少年!頼りない男ですまん!」


 ガンツとレインは素直に撤退し、アッシュに後を託した。

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