王都ジャマールへ
宴再び 尋問
「はぁ、はぁ、はぁ、勝った・・・勝ったぞ!!」
アッシュは息を切らせながら、蛇骨を持っている右手を天高く上げ、勝鬨を上げる。
「「「「ウオォォォォォォォォォォ!!!」」」」
「「「「ウオォォォォォォォォォォ!!!」」」」
「「「「ウオォォォォォォォォォォ!!!」」」」
「「「「ウオォォォォォォォォォォ!!!」」」」
冒険者、ヴァリア騎士団、ペガサス騎士団、竜騎士団、全ての声が重なり合い、地を鳴らし、空気を震わせ、体を震わせた。
「・・・・・・」(うーむ、こんな簡単に神竜を倒せて良かったのか?鑑定では殺す事ができなかったとか書いてたが、、、まぁその内太一さんから接触してくるだろ。今はサタンを倒せた事を喜ぶか。
それと、ミア達の仇も取れた事だしな。後で報告に行くか)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「スタンピードの阻止成功を祝して乾杯!!!!」
「「「「「「「「「「乾杯!!」」」」」」」」」
カールが街の中心部で、エールの入ったコップを掲げて乾杯の音頭を取る。
それに追随し、市民が、商人が、農民が、冒険者が、騎士が、コップを掲げ近くの人とコップをぶつけ合う。
「いや〜大変だったぜ!」「全くだ」
「ららら〜銀狼が悪き竜に突貫する〜ららら〜♪」
「おう!生きてたか!」「そっちもな!無事だったか!」「・・・俺だけ生き残っちまった、オメェの分まで長生きするぜ相棒」
「そこで俺はオークを斬り飛ばしたのよ!!ドガァァンてな!」「キャアアア!!素敵!!もっと聞かせて!」
広場は沢山の人で溢れかえる。
冒険者は疲れたと言いながら笑う者。
吟遊詩人が楽器を鳴らし歌を歌う者。
知り合いの無事を聞き安堵する者。
仲間と別れながらも前を向く者。
武勇伝を語る者。
広場は瞬く間に騒がしくなる。
そんな中、カール、バッカス、レイン、ガンツ、ジャスト、アッシュは居ない。
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「むぅ、まだ口を割らんか」
真っ暗な一室にカールの声が響いた。
「ぎざまら!はなぜぇ!ごのぐざりをどげ!!」
「こいつ、なんで言ったんだ?俺には分からないが」
「貴様ら、離せ、この鎖を解け?じゃ無いですか?」
「成程、おい神官それは無理だ諦めろ」
苦悶に満ちた声が響くが、その声が余りにも聞き辛くカールが周りに聞くと、アッシュが答える。
それを聞いたカールは、神官の要求を切り捨てる。
そう、この暗い一室には様々な拷問器具が置いてあり、椅子に座らされ鎖で縛られていたのはダンジョンを管理していた神官であった。
「レインさん達はうまく行ってますかね?」
「さぁ?うまく行っているんじゃ無いか?それにしても、まさかダンジョンの管理をしていた神官が魔神教の信徒だったとは、道理で魔神教がダンジョンの中を弄れる訳だ」
「二人とも、そんな事は後でも良い。
今は、コイツの仲間が何処にいるかだ。
おい、貴様、仲間は何処だ!答えろ!」
そんな、神官を尻目にアッシュとバッカスは別行動しているレインとガンツとジャストの話をし、バッカスが神官が魔神教の信徒であった事に驚きつつも納得していた。
そんな二人に声を掛け、神官の尋問を続けるカールがいた。
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