異世界へ
転生
太一と雪に異世界の知識や戦闘技術を教わり始めて、数年が経った。
「そろそろ太郎君も、仕上がってきたね。
もう教えることがないよ、雪の方はどうだい?」
「こちらも、ある程度のことは教え終わったわ」
太一と雪が修行後にそんなことを言ってきた、それは俺にとって、待ち侘びた言葉だった。
「えっ!本当ですか!やったー!これでようやく異世界へ行けるぞー!」
辛かった、特に雪さんとの修行は、本当にキツかった、泣
それも、今日で終わりだと思うと、考え深い。
異世界へ行けるワクワク感と共に、二人と別れるのが寂しく感じる。
「じゃあお別れですか、色々教えてくれてありがとうございました、雪さん、太一さん、言っていいのかわからないけど、父さんと母さんみたいで、楽しかったです、ありがとうございました」
「「!?」」
二人は驚いたような顔を一瞬したのち、笑顔になり俺の頭を撫でながら、こう言った。
「そうか、それは僕たちにとって嬉しいな、それと話は変わるけど君の体は、異世界へ行ったら変わるようになっているから、現地で確認してくれ。
名前は自分でつけるかい?それとも僕たちがつけようか?」
「私がお母さんですか、嬉しいことを言ってくれますね、それと異世界に行ってハーレムを築くのは良いですけど、女の子を泣かしちゃダメよ、わかったわね」
俺は自分で名前を付けると言うと、目の前にイケメンが現れた。
身長が180センチ、すらりとした手足だがしっかりと筋肉が付いている、細マッチョだ、髪色は銀髪で短髪だ、目の色はブルーで、目つきもシュッとしていて、とてもイケメンだ。
「これが異世界での君さ、どうだいかっこいいだろこれなら、奴隷じゃなくてもハーレムが作れるね。ふふ、それと着せている服は一般庶民が着ている服よりちょっとグレードの高い服にしているから、着心地はいいと思うよ、それじゃ君が考えた名前を聞こうか」
「そうだな、俺の名前は・・・アッシュにしようかな、特に理由はないけど、かっこいいし異世界に行くんだし、それっぽい名前の方が馴染みやすいだろうし」
そう言うと、太一は頷いた。
「わかった、アッシュだねカッコいい名前だ、それじゃそろそろ、異世界に送るけど何かあればできる範囲で、叶えるよ」
そう言われて俺は、
「じいちゃんとばあちゃんに今までありがとうって、伝えてくれませんか、それと、父さんと母さんにも、恨んでなんか無い、寂しかったけどじいちゃんとばあちゃんと暮らせて幸せだったし、最後にこんな素敵なプレゼントをくれてありがとうって言っていたと、伝えてくれませんか?」
太一は真剣な表情をして
「わかった」
と言って頷いてくれた。
「それじゃそろそろお別れの時間だね、太郎君、いやアッシュ君、異世界でも元気でね、ときどき見に行くからね」
「太郎、元気でね」グスッ
太一と雪が見守ってくれている中、だんだん意識が遠のく、、、、
太一、雪、視点
「行ったか」
「そうね、全く太郎はいい子ね、流石私たちの自慢の息子ね」グスッ
「もう泣き止んだらどうだい、雪、確かに悲しいけど、これからも見守っていけるんだ、どうしても会いたくなったら、夢の世界に入ればいいんだしさ」
そう言って太一は苦笑いしながら、妻である、雪を宥める。
「それにしても、父さんと母さんみたいか、僕たちの正体がバレたのかと思ったて焦ったよ」
「そうね、でもそう言われてもの凄く嬉しかったわ、太郎との時間なんて無かったし、この数年間の修行は、一生の思い出ね」
雪が聖母のような笑みを浮かべて言う。
「そうだね、あそこまで立派に育って僕はびっくりだよ、あとは父さんと母さんに感謝を伝えて太郎を、見守ろうかどんな人生を歩むのか楽しみだな、孫の顔も見れそうだしね」
「そうね、ちゃんと私が太郎のお嫁さんに、相応しいか見極めるわ」
「ほどほどにね」
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