お約束

 衛兵に通行料を渡しながら、冒険者ギルドの場所と、おすすめの宿屋を聞く。


「冒険者ギルドと、おすすめの宿屋の場所を教えてくれないか」


「うん?ああ冒険者ギルドはこのまま真っ直ぐ進めばすぐにわかるさ、宿屋はそうだな、中々いい服を着てる様だし金はあるんだろ?だったらちょっと高いが、飯が美味いのは、木の葉亭だな場所は、冒険者ギルドを出て右に少し行けば、見えてくるはずだ」


「ありがとう」


「ふっ、ようこそダンジョン都市キールへ」


 異世界にきて、初めての街見るもの全てが気になって仕方ない、アレはエルフか!こっちは猫娘だ!

 ムフムフフフフフ、夢が広がるな!

 早速冒険者ギルドに行って、登録を済ませよう。


 冒険者ギルドはこれだな、衛兵に言われた通りに真っ直ぐ進んだら、剣と盾が交差になった看板が飾ってある、大きな石造りの建物があったなんか、

 大使館みたいだな、冒険者ギルドぽくないな。

 そんな事はどうでもいいか、とっとと入るか。


 ワイワイ ガヤガヤ ワイワイ ガヤガヤ

  ワイワイ ガヤガヤ ワイワイ ガヤガヤ


 中に入ると目の前に、沢山の受付があり冒険者たちが、沢山並んでいる、日が沈む前だから仕事終わりなのだろう、そして左側には酒場があるのか、陽気な声と、怒号が聞こえる。

 右側には紙が沢山貼られているボードがあった、

 ここに依頼などが貼ってあるのだろう。

 取り敢えず、登録だけして宿屋に向かいたい為、

 人が並んで居ない受付に行こう。


「すまない、冒険者になりたいんだがどこで登録すれば良いんだ?」


 受付には厳ついおっさんがいた。


「うん?ああ新規登録かどうせ暇だし、俺がやってやる、しかしえらいイケメンだな腕っ節も強そうだ、歓迎するぜ。じゃあこの紙に名前とジョブ、

 年齢を書いてくれ、代筆はいるか?」


 厳ついおっさんは、意外な事に親切だった、

 それに、見ただけで相手が強いか分かる目も持っているようだ。


「いや、大丈夫だ・・・これでいいか?」


「ふむ、名前はアッシュ、ジョブが剣士、年齢は20

 か、よし、少し待ってくれ今からギルドカードを作ってくる、出来るまで時間が掛かるから冒険者ギルドの注意事項が書いてある本がある、それを読んでおいてくれ」


 そう言うと厳ついおっさんは、奥に引っ込んでしまった、じゃあ本でも読んでるか。


「オイオイ、こんな所に新人くんが居るじゃねーかヒックいくつだよお前20前後かぁ?大体15くらいから冒険者になるんだぜ、恥ずかしくないのかよ、ガハハハ、ヒック」


 山賊みたいな毛皮をまとった酔っぱらいに絡まれた、は〜お約束なんだろうけどめんどいな、無視するか。


「おい!何無視してんだ!先輩からのお言葉だぞ!

 俺は器がデカいからな、有り金全部で許してやるよガハハハ!」


「・・・」


「あいつまたやってるぜ」「てかあの新人もすげー胆力だガン無視じゃねーか」

「新人に無視されるとか、クックック」

 クスクス クスクス


「・・・」


「テメェ!いい加減にしろよ!テメェのせいで恥かいたじゃねーか!ぶっ殺してやる!」

 山賊みたいな男は、ただでさえ赤い顔をさらに赤くしながら、背中に背負っていた斧を抜いた、


 注意事項には、こう書いていた


 一つ冒険者同士のいざこざに冒険者ギルドは、介入しない


「ふむ」


 ズドン!!!


 山賊風の男が吹き飛ぶ、遠巻きに眺めていた連中が目を見開く、対して筋肉のついていない俺が、

 筋肉モリモリマッチョマンの山賊を吹き飛ばしたのだから仕方ない、酒場に置いてあった机を巻き込みながら倒れて、起き上がらない。


「先輩からの有難いお言葉感謝する、だがご心配なく、貴方を軽く捻る程度の力はあるので無用な気遣いだ、って聞いてないか」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る