お礼

「えっと確か小麦亭だったな・・・すまない小麦亭は、どっちに行けば良いか教えてくれないか?」


 アッシュはギルドを出て通行人に道を聞いていた。


「ええと、小麦亭はここを真っ直ぐ行ってパン屋を右に曲がれば見えてくるはずです」


「ありがとう、助かったよ」


「いえ、どういたしまして」


 それを聞いて俺は小麦亭に向かった。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 教えてもらった道を歩いていると、小麦の穂が描いてある看板が見えた。


 ギィ〜


「いらっしゃい、泊まりか?」


「いや、青の月と飯を食う予定をしてる」


「ああ、トールたちは、あっちだ」


「ありがとう」


 店主が指を指した方を見ると、トールたちが飯を食べていた。


「よっ!きたぞ」


「あっ!アッシュさん!どうぞこちらに座ってください、あっ!エール一つ追加でお願いします!」


 トールはミアの隣に俺を座らせ、ウェイターに、エールを注文した。


「遅れてすまんな、ちょっとギルドに報告する事があってな」


「そうよ!遅いわよ!」


 ミアは相変わらずのツンデレだ。


「いえいえ、大丈夫ですよキールから聞いてましたから、それよりここの料理は安くて美味しいんです、是非沢山食べてくださいね」


 相変わらずのミア態度に苦笑いを浮かべながら言う。


「エールお待ち〜」


「あっ!来ましたね、じゃあ乾杯と行きましょうか、アッシュさんとの出会いと、生き残れたことに

 乾杯!」


「「「乾杯!」」」


 ゴクッ! ゴクッ! プハー!


 いやー風呂上がりの熱い身体に冷たいエールが気持ちいい。

 さて、それじゃあ飯を食うか。

 どれも美味そうだ、ウルフ肉のサイコロステーキ、魚のフライ、うさぎ肉のステーキ、サラダ、

黒パン、野菜たっぷりのスープ、チーズ。

 どれも美味そうだ。


「いただきます」


 ウルフのサイコロステーキは、程よい硬さで臭みがなく、塩味が効いて美味い!エールに合う!


 火魔法でチーズを溶かし黒パンに付けて食べる、

 黒パンは硬くて歯応えがあり口の中でバリボリと良い音が鳴る。

 チーズも濃厚で鼻から抜けるチーズの臭いが暴力的だ。


「すまん、エールおかわり!」


「良い飲みっぷりだな!アッシュ!俺も負けないぜ!」


「じゃあ僕もお代わりしようかな」


 2人が張り合ってエールのお代わりを頼む。


「それにしても、10階層まで行ったんですか?」


「ああ、ホブゴブリンとフォレストウルフとスケルトンアーチャーが出たな」


「それを一人でかよ、マジですげぇな!

 俺もいつかそうなりたいぜ」


「怪我はしてないんでしょうね!」


「ああ、大丈夫だ、心配してくれたのか?

 嬉しいな」


 そんな事を話しながら皆んなで飲み明かした。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「うーん、気持ち悪い」


「あ〜気持ち悪り〜」


「馬鹿じゃないのアンタら」


 トールとキールが飲み過ぎでダウンしている。

 それを見てミアは呆れてため息を吐いていた。


「まぁ良いじゃないか、部屋に運ぼう」


 俺はトールとキールを抱えて部屋に運ぶ。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「よし、これでいいな、じゃあ俺は帰るぞ。

 ・・・なんだ?」


 部屋を出て帰ろうとすると、ミアが俺の服を掴んでいた。


「・・・私からのお礼がまだ終わってないわ、

 さっきのはパーティーとしてのお礼だもの」


 顔を真っ赤にしてミアが言う。

 そしてミアの部屋へと行き、話をする。


「俺は、奴隷ハーレムを作るために冒険者になったんだ、だから恋人になる気はないぞ、それでも良いか?」


「・・・わかったでも今だけは私を愛して」


「わかったよ、ミア」

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