国王の怒り
ジャスト視点
ジャストの説明、疑問を聞いてニヤリと笑い口を開いた。
「そうカッカッするな、ちゃんと話してやる」
国王はそう言うと、笑顔ではあるものの怒火を隠そうともせずに説明する。
「カールから援軍を要請された後の事だ、オレはレインとガンツの派遣を決定し、二人はそれを聞き即座に出撃準備に出た・・・が、その出撃準備をしていた二人に絡んだ貴族がいてな?オレはそれを聞いておかしいと思った。
だってそうだろ?ジャマール王国にとって、一番の利益を出しているダンジョン都市の危機だ、貴族で有れば誰だって急げと言うはずだ。
なのに、邪魔をした・・・おかしい、おかしいよな?だから、邪魔をした貴族を呼び出しちょっとばかしお話をしたんだよ、そしたらな?魔神教の構成員だったんだよ、いや最近何やらきな臭い団体が動いているってのは知っていたんだが、まさか貴族まで抱き込んでたとは知らんかった。
オレは思うんだ、貴族は民の血税で生きている、だから民の為に仕事をすると、それなのに、それなのに、民の危機なのにも関わらず、民を助ける為に準備をしている部隊の邪魔をする、許せん、だから其奴は処分したが・・・うむ、すまんな、ちょっとばかし怒りで我を忘れていたようだ、許せ。
まぁ、こう言う理由でスタンピードを起こした連中を知っていたって訳だ、後は何かあるかなジャスト君」
「い、いえ、こっちでもレイン団長とガンツ団長に貴族に足止めされたと伺っていたのですが、まさか邪魔をした貴族が魔神教の教徒だったとは、教えてくれてありがとうございます国王陛下。
魔神教が動き出したのはつい最近でしたので、国王陛下に伝えようと思ったのですが、まさかここまで勢力を伸ばしているとは・・・」
ジャストは国王の余りの怒りに、頬を引き攣らせながら感謝を伝え、改めて魔神教の危険性を認識した。
「むぅ、そうだな、これはヤバいかもしれん。
国の中枢にでも入られればお仕舞いだ、各国にも連絡を入れておくべきだな」
「そうした方がよろしいかと、それでは自分はこれで失礼致します」
「うむ、ご苦労であった」
ジャストはそう言うと、これ以上怒った国王の前に居たくないとばかりにそそくさと部屋を出た。
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「ヒェ〜おっかね〜メチャクチャキレてたぞ、あの人。最後はなに言ってるのか訳わかんなかったし」
部屋を出たジャストは小声で呟き、王城の廊下を歩いていた。
「それにしても、アッシュ達はうまく行っているのか?うまく行ってたら良いなぁ。
こんな馬鹿げた事を仕出かす組織だ、とっとと潰した方が良いに決まってるしな。
まぁ、それについては明日帰ったら聞いてみるか、
今日は久々の王都だ、飲むぞ!あの魔獣の死体の片付けもしなくて良いし、気楽だ〜。
そうと決まれば、とっとと酒場に直行だ!」
ジャストはそう言うと足速に王城を出て、酒場に向かおうと足を早めようとしたその時。
「おや、ジャスト君じゃないか!こんな所でどうしたんだい?今は暇かい?おお!そうか暇か暇か!
じゃあちょっと、僕の仕事手伝ってもらって良い?遠慮しなくて良いよ!え!手伝ってくれるのかい!ありがとう!」
「・・・俺一言も発して無いんだけど、てか久しぶりですね、ーーーーー」
「久しぶり!でもひどいなー、ーーーーーじゃなくて、ゼ・ク・トって呼んでよ♪」
「・・・いやです、名前で呼べば友達だろ♪とか言って仕事を押し付けて来そうですし、しかも俺はこれから休暇なんです、自分一人でやって下さい、では」
ジャストはゼクトと名乗る人物と二言、三言、話したのち、酒場へ繰り出した。
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