オークション5

 『ザマァみろ!!・・・む?・・・・・・・・・

 これからのオークションに参加できない・・・だと!待て!妃と娘に頼まれていた宝石はどうなる!

 ・・・お前らァァァ』


 『さて、我等は装飾品を競り落とすとしますか』


 『『『『うむ』』』』


『いや〜すみませんなぁ〜陛下。王女様とお妃様が欲しがっている宝石が私達の娘や妻も欲しいとおねだりされましてな〜流石の陛下も聖金貨40枚も出せば他の商品に手は出せませんでしょう。

 これで一安心ですな!後で陛下は王女様とお妃様に怒られてください』


『き、き、貴様らぁ!その為に値段を釣り上げたのか!許さん!許さんぞ!・・・』


 絶倫のスキルポーションを競り落として威張っていたエドワードだったが、周りの貴族達の策略でポケットマネーを全部吐き出してしまいお妃様と王女様の欲しがっていた宝石や装飾品が買えなくなってしまった。

 哀れエドワード・・・




 ☆☆☆




「うわぁ〜まだ文句言い合っていますよ。貴族って怖いですね」


「そうかしら?子供の喧嘩を見てる様で楽しいわ」


 二人はそんなエドワード達を見て各々感想を言い合って居た。

 俺はエイミーと同じ意見だな。

 ケーキの大きさとかで言い合っている子供にしか見えない。


 しかし


「ソフィア、エイミー、貴族に聞かれるなよ。

 貴族に絡まれる程面倒なものは無いからな」


「「分かりましたご主人様」」


「うん。さて、次は何が紹介されるんだ?」


 俺は二人の返事を聞きつつ次の商品に目を向け、いくつかの商品を競り落としてオークションは終了した。




 ———————————————————————




 エドワード視点 




「お父様なんて大っ嫌い!!」


 オークションが終わり帰ってきた国王が私室で娘と嫁への言い訳を考えていると、可愛らしい怒声が響く。


「ちょ、ちょっと待ってくれ!!マリルたん!!

 お父さんもマリルたんの欲しがってた宝石を買おうと思ったんだ!!そしたら他の貴族が・・・」


「いえ違います王女様、陛下はご自身が使う絶倫のスキルポーションを購入しポケットマネーが尽きたので購入出来なかっただけの事です」


「ちょ!お前!なんでその事を言うんだ!マリルたんに嫌われたらどうする!」


 マリルと呼ばれた王女に必死に弁解をして居たエドワードであったが・・・なんと言う事でしょう。

 側近の執事長にあっさり暴露されてしまったではありませんか!しかも娘に!絶倫のスキルポーションを購入して宝石が買えなくなったなんて暴露されたからには。


「・・・・・・最低!!このクソ親父が!」


「ちょ!ど、どこで覚えたんだいマリルたん!そんな下品な言葉使いはお父さん許しません!」


「下品なのは陛下では?」


「お前は黙っとれ!・・・ゴホン!えーとだな」


 バダン!


 執事長からの口撃に余裕の無いエドワードは強権を使い黙らせ、マリル王女への言い訳を喋ろうとしたその時国王の私室の扉が力強く開かれる。


「ひぃ、ひいいぃ!カミラ!」


「あら?自分の嫁の顔を見て悲鳴を上げるなんて酷い夫も居たものですわ。おほほほほ・・・笑えませんわ」


 扉を豪快に開けて入って来たのは赤い髪を腰まで伸ばした長身のボンキュボン!な綺麗な女性で、カツカツと靴音を響かせエドワードの前まで歩いて来た。

 恐ろしい鬼をその身に宿しながら。


「ち、違うんだよ、な、な、えっと、その、あの、違うんだよ!だからその、え、えへへ、やっちゃった、ごめんね(笑)・・・ボカァ!!・・・ごべんなざい!」


 エドワードは鬼をその身に宿した二人の女を前に冷や汗を流しながら言い訳を考えるが・・・良い案は思い付かず、涙目で半笑いをしながら謝罪をしボコボコに殴られるのであった。

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