オークション4

『続いては!!スキルポーションのご紹介をさせて頂きます!!』


 ザワザワザワザワザワザワ


『おい、聞いたか?絶倫のスキルポーションが出品されたらしいぜ!』

『ああ!周りを見てみろ、貴族達が目ん玉ギラギラさせてるぜ』


 オークショニアの声に様々な方向から興奮した声が聞こえてくる。


「さてさて、陛下は幾ら出してくれるのか見ものだな」


「む?・・・そうか!スキルポーションを出品したのは銀狼だったな。

 俺も参戦するし、多分だが聖金貨10枚は余裕で越えるぞ〜」


「マジですか・・・って、陛下が落札するのでは?」


「さぁ?それは分からんぞ?確かに我等は陛下の忠臣だが・・・絶倫のスキルポーションは別だ!

 確かに陛下に御子息が居ない場合は我等も譲ったであろうが、現国王陛下は子沢山だからもう要らないであろう。

 ならば、我等が競り落として使ってもなんら問題はない」


 そう言うとカールはオークショニアに注目し始めた。


『絶倫のスキルポーション!!のご紹介です!!

 ダンジョン都市キールで発掘された鑑定書付きのポーションです!!

 オークショニアを始めて20年、初めて見ました!

 これを飲めば精力絶倫!沢山の美女を抱ける事でしょう!!金貨1000枚から!』




 ☆☆☆




『金貨5000枚!!!』


『金貨6000枚!!!』


『6500!!』


『7000!!!!』


 絶倫のスキルポーションの落札を開始して数分。

 あっという間に値段が上がっていく。


『貴様らぁ!!我に譲らぬか!!金貨8000枚!』


『陛下にはもう沢山の御子息が居ますでしょう!!

 金貨8500枚!!』


『我だってまだまだ女をヒィヒィ言わせたいんじゃ!!金貨10000枚!!!』


「ガハハハハ!!!陛下!では私も続きましょう!!金貨15000枚!!!」


『カール!貴様ァァァ!!金貨20000枚!!貴様らァァァ!分かっておるな!!』


『分かりました!!金貨25000枚!』


『全然分かっとらん!!お・り・ろ!!金貨26000枚!!』


「あわわわわわ!ご、ご主人様!なんかすごい事起きてますよ!」


「これは・・・凄いわね」


「これは凄い・・・のか?それになんか、なぁ。

 貴族がこれでいいのか?」


 絶倫のスキルポーションが競売にかけられてから数分・・・聖金貨30枚にまで届きそうになっていた。

 しかし・・・何というか忠臣?とは言えない言動が多々あるのだが大丈夫なのだろうか?

 ソフィアとエイミーもここまでとは思わず口を開けポカンとしている。


『ゼェゼェ、金貨40000枚ダァァァ!!

 どうだ!?我のポケットマネーギリギリの金額じゃァァァ!!!!!』


 エドワードが息を切らせながら聖金貨40枚と言う途轍もない金額と自分のポケットマネーを提示する。


 すると他の大貴族達は


『・・・』

『・・・』

『・・・』

『・・・』


『・・・あっ、えっと、き、金貨40000枚です。

 他の方は〜・・・・・・』


 カンカンカン


『えっと・・・1番の方が落札しまし、た?』


 パ、パチパチ、パチパチパチパチ


 『ザマァみろ!!・・・む?・・・・・・・・・

これからのオークションに参加できない・・・だと!待て!妃と娘に頼まれていた宝石はどうなる!

・・・お前らァァァ』


 『さて、我等は装飾品を競り落とすとしますか』


 『『『『うむ』』』』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る