青の月

「ッツ!?・・・お前たち・・・」


 そこで血を流して死んでいたのは、青の月のメンバーであった。


「・・・3人とも首をひと突きか。

 それにしても・・・ミア、くそっ!」


 トール、キール、ミア、全員が首とから血を流して死んでいた。

 ミアに関してはもっと酷い。

 トールとキールは服を着ていたが、ミアは服を着ておらず、頭から足の爪先まで白い粘着質な液体で汚れていた。


 アッシュは敵対していたら斬るとは言いながら、鬼ではない。

 心に来るものが有る。


「ふぅ〜・・・・・・良し、引き上げるか」


 アッシュは心を必死に殺し、青の月の面々を大きな布で包み紐で結え担ぐと、キャンプ地に戻る。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「!?ご主人様!それは・・・死体、ですか?」


 キャンプ地に戻るとソフィアとエイミーが、目を見開き問いかけてくる。


「ああ、すまんがキャンプは中止だ、戻るぞ」


「わ、分かりました!」

「分かったわ!」


 ソフィアとエイミーは急いでテントを折り畳み、マジックバックに収納した後、俺達は辺りを警戒しながら街へと急いで戻る。


 その道中、嫌な音が背後から聞こえてくる。


 ドドドドドド


「ハァ〜嫌な予感がビンビンする、急ぐぞ二人とも!」


「「はい!」」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ん?ぎ、銀狼!どうした!」


 衛兵が俺が担いでいる物を見て驚きつつ聞いてくる。


「緊急だ、ギルドに行くからちょっと通してくれ。

 それと、辺りを警戒しておけ」


「ああ、分かった。

 冒険者は通行料が無料だから気にするな。

 警戒か、背負っているやつと関係があるんだな、了解した」


 衛兵は城壁の見張り兵に警戒を要請しようと、上を見た時だった。


『緊急!!!東の森から魔獣の群れが接近中!』


 城壁の見張り兵からの報告があった。


「おい銀狼、まさか・・・」


「チィ!ソフィア!エイミー!お前達はここに残れ!城門を突破させるな!

 衛兵!俺はギルドに行くついでに冒険者を呼んでくる!それまで持ち堪えろ!」


「了解した!頼んだぞ銀狼!」


「分かりました」「分かったわ」


 俺はそう言い残し、急いで冒険者ギルドに向かった。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ジャスト!ギルド長は居るか!」


 俺はギルドに着いたと同時に、ジャストにギルド長は居るかと聞く。


「アッシュ!どうした!」


「緊急だ!訳はギルド長に話す!

 それと、暇な冒険者ども!装備を整えて東の城門に急げ!スタンピードだ!」


「スタンピードだと!急げお前達!

 アッシュはこっちだ!」


 受付で欠伸をしていたジャストが飛び起き、冒険者達に指示を出し、直ぐにギルド長がいる場所に案内を開始する。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ドンドンドン!!


「なんだ!騒々しい!」


「俺です!ジャストです!スタンピードが起こった様で、その件でアッシュが来ています!」


 ジャストは執務室を力強く叩き、ギルド長に用件を伝える。


「なんだと!入れ!」


 ガチャ!


「ジャスト!お前は冒険者の指示に回れ!」


「分かりました!」


 ギルド長はジャストを見ると、直ぐに指示を出し執務室には俺とギルド長だけになり、俺は急ぎつつも正確に情報を伝えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る