対 ヒグマ②
走り続け、どれぐらい経ったのだろうか。
ずっと動かし続けていた足を、翼を止め、フレンズ達はただじっと、前を見据えた。
「これが…ゆうえんち…」
かばんを背中から下ろしてやりながら、サーバルは眼前のセルリアンの根城となった区画を眺めた。
吹き荒れるサンドスター・ロウが黒雲のように包み込んでいるその根城は、高い塀に囲まれている上サンドスター・ロウのせいで視界も悪く、内部の様子が外からではわからない。
辛うじて確認できるのはサンドスター・ロウの嵐の中でも微動だにしない、大きな、大きな観覧車のシルエットのみ。
異様な不気味さが、黒いサンドスターと共に渦巻いていた。
「敵の本拠地の前で無防備に突っ立っているのは良くないのです。どこかで身を潜めつつ、山組の作戦成功を待つのです」
博士が皆に呼びかける。かばんも無言で頷いた。
周囲にセルリアンの姿がないのは救いだった。遊園地の内部に集まっているのだろう。
ツチノコとタイリクオオカミの力で無益な戦闘を避けることができたため、比較的スムーズに目的地に到着することが出来た。
後はサンドスター・ロウの供給が絶たれる――突入のタイミングを待つだけだ。
「でも…どこに行きゃあいいのさ…。この辺の地形には詳しくないから…隠れられる場所なんてわかんないよ…」
長距離の疾走に不慣れなライオンは、息を荒げて膝に手をついている。
「――かばんの呼びかけで集まってくれているフレンズの姿も、見当たらないね」
対してタイリクオオカミはさほど呼吸の乱れを見せることなく、腕を積んで辺りを見回していた。
「…危険な戦いですから…しかたないです」
鞄の肩紐を握って小さく俯くかばん。
その鞄の中からピョンと飛び出したボスが、マカセテ、と声を上げた。
『コッチ、コッチ』
飛び跳ねながら近くの林へと一直線に向かうボス。その後を、皆は首をかしげつつ追いかけた。
…
『ココダヨ、ココダヨ』
林に入ってさほど歩かない内に、ボスが立ち止まって皆を振り返った。
そんな彼の前には、キヅタなどのつる植物が壁に纏わり付き、自然の力でカモフラージュされた建物があった。
一見すると林の植物と一体化してわかりづらいが、わりと広そうだ。
「これは…?」
扉の取っ手へと手を伸ばしながら、かばんはボスに尋ねる。
『昔パークニイタヒト達ガ使ッテイタ、管理小屋ノ一ツダヨ。ココカラナラ安全ニ遊園地ノ様子ガ監視デキルヨ。ソレニ――』
かばんが、扉を開けると。
『ミンナ、ココニ集マッテル』
中にはすでに、先客がいた。
「あっ!?かばんにヘラジカ様!」
「大将!」
「おぉ!お前達!」
「来てたのかー!」
頭領達との再会を果たし、歓喜の声をあげるへいげんちほーの一同と。
「かばん!無事でなによりだよ!」
「やっほーかばーん!」
混沌のじゃんぐるちほーから何とか脱出したジャガーとカワウソの二人だった。
『各地ノラッキービーストニ、コノ小屋ニ案内スルヨウ伝エテイタンダ』
ボスのもとへ、じゃんぐるちほーとへいげんちほーからフレンズ達をガイドしてきたラッキービースト達が集まってくる。
「皆さん…ありがとうございます!」
「危ない戦いだってわかってても、パークやかばんちゃんのためならみんな集まってくれるよ」
思わず顔がほころぶかばんの隣で、サーバルもにっこりと笑った。
…
そんな感動的な再会を果たす者達も居れば、最悪の対面を迎える者達も居る。
「グオォッ!!」
空中で拘束されて吼える先輩の変わり果てた姿に、リカオンは構えることも忘れてただ空を見上げる。
「趣味が悪い…セルリアンですね…」
『ア、ア、アワワワ…』
肉の盾にするつもりか、人質のつもりか。どちらにせよたちが悪すぎる。
沸き上がってきた怒りに身を任せ、リカオンは牙と共に戦意を剥き出しにした。
「今すぐ地上に叩き落としてやる…!」
固まるボス2号を地面に下ろし、サンドスターが溢れる拳を構える。
そんな彼女を見たセルリアンは、その大きな瞳を再び紅く光らせると。
あろう事か。
拘束していたヒグマを手放し、地上へと落下させた。
「な…」
ドサッと四つん這いで不格好に着地したヒグマは、不愉快そうに呻って立ち上がると、がむしゃらに熊手を振り上げてふわふわ浮かぶセルリアンを威嚇する。
しかし熊手が届かない絶妙な高さで、セルリアンは嘲笑うかのように触手を風に揺らしていた。
「ゴフーッ!」
怒りさめやらぬ様子のヒグマは、それでも手が届かない相手にはどうしようもないと判断したようで。
では、この苛立ちをどうすれば良いのか。
その矛先を向ける相手は、すぐに見つかった。
「…ゴルルルル…」
肌を刺すような戦意を剥き出しにしている一匹のけものが、目の前にいるではないか。
そのけものは――リカオンは、セルリアンの行動に唖然としていた。
肉の盾よりも、人質よりも。もっとたちが悪い。
「趣味が悪いにも…程があるっ…!!」
このセルリアンは、自分と戦わせるためにヒグマを拉致してきたのだ。
無理矢理拘束され、連れ回されたヒグマは、完全に興奮状態で。
忌々しい初めの事件――あの時は暴走したヒグマの気を、かばんが上手くそらせたことで戦いを回避できたが、今回はどうやっても避けられない。
戦うしかない。…大事な、憧れの、最強の先輩相手に。
「ガフーッ…グルル…」
「…ふーっ…」
荒々しい呼吸を牙の間から漏らすヒグマを正面に捉えたまま、リカオンは細く長い息を吐く。
腰を覆う毛皮の袋状になっている部分へ、そっと手を伸ばす。
そこに入れたアライグマ特製の首輪の存在を、毛皮の上から確かめた。
大丈夫。自分にはこれがある。ライオンの時と同じだ。倒せなくても良い。
危険なのは、あの鋭利な爪で破壊力のある一撃を繰り出してくる、あの熊手。
一瞬でも隙をつくり、あの熊手を封じることができれば、自分の勝ちだ。
それにこれまでハンターの修行で、ヒグマとは何度も手合わせをしてきた。
落ち着け、大丈夫だ、やれる。
(…やらなきゃ、山頂の二人も…遊園地で待つみんなも…)
グッと拳を握りしめる。熊手を持つヒグマの手にも、ギリッと力がこもった。
『…ア』
足下で固まっていたボス2号が、ふいに我に返って耳と尻尾をぴくんと動かす。
「ゴアアッ!!」
それを見たヒグマが、先に動いた。
熊手を振り回し、吼える。
リカオンは急いで2号を両手で抱え上げると、少々乱暴だがそのまま少し離れた茂みに向かって放り投げた。
「ボスは隠れてて!」
「ガアアアアッ!!」
ヒグマが熊手を構える。
リカオンは冷静にその姿を見つめ、あの爪が振るわれるタイミング、場所を読む。
「…っ!」
ごう、と顔に向かって地面から掬い上げるように薙がれた爪を、リカオンは身を捻って回避した。
ヒグマの攻撃は止まらない。
振るい終わったその熊手を、今度は思い切り頭上から振り下ろす。
リカオンは身を捻った姿勢のまま地面に手をつき、足を蹴り上げる。側転だ。
身軽な動作で距離を取った彼女が一瞬前まで居たところに、爪が恐ろしい勢いで打ち付けられた。
「うぅ…」
容赦の無い猛攻に、思わずゴクリと生唾を飲む。
手合わせの時とは全く異なる戦い方――命を狩ろうとする戦い方に、どうしようもなく手が震えた。
修行の時のヒグマも、もちろん強かった。
正直何度か本気でかかっていったこともあったが、見事なまでにいなされた。
しかし、自分に傷を負わせるようなことはしなかった。
元々の素質に加え、セルリアンハンターとしての経験と技術を積んだヒグマは、ただ弱い相手を叩きのめすだけでなく、決して傷つけない優しさも持ち合わせていた。
厳しい言動も多かったけれど、やはり仲間思いの良きリーダーなのだ。
でも。
「ゴルルル…!」
今のヒグマは、完全にただ怒れる野生のヒグマだ。
冷静さを欠いた瞳を野生暴走に燃やすその姿を見るのだけでも辛かった。
「ヒグマさん…」
早く、目を覚ましてほしい。
リカオンは震える拳をきつく握り込むと、一気に駆けた。
ヒグマが反応するよりも早く、背後に素早く回り込む。
「っりゃあ!!」
真っ直ぐな殴打を一撃。脇腹に打ち込む。
元の獣の体だと、皮膚の硬さに到底効き目もないだろうが、フレンズの体には通用する。
息を詰まらせるヒグマの様子を確認し、さらにワン・ツー。
十分な手応えを得たリカオンは、即座にヒグマから距離を取った。
苛立ったヒグマが横薙ぎに払った熊手は、リカオンに掠めることもなく空を切る。
(大丈夫、相手はただの…獣だ…!)
リカオンはさらにヒグマから距離を取り、十分離れてから呼吸を整える。
野生暴走したヒグマの容赦のない攻撃とパワーは恐ろしい。
だが、その代償に彼女はハンターとしての技術を完全に忘れた獣に成り果てている。
フレンズの自分には、それがある。目の前の彼女から教えてもらった技術が。
(落ち着け…この調子ならいける…。相手の行動を見て次の手を考えるんだ)
ゆらり、とヒグマがリカオンを振り返る。
極度の緊迫感から乱れる呼吸を、急いで立て直すリカオン。
一撃が重いヒグマは動作も鈍い。自分は一撃の力は劣るが身軽さで上回っている。
こうやって距離を取って、動きを冷静に分析すれば、確実だ。
ヒグマが動く。
ゆっくりと身をかがめ、足の筋肉に力を込める。
(来るぞ…)
待ち構えるリカオン。相手が距離を詰めるまでに攻撃を読んで、反撃の方法を考えるのだ。
「ガアアッ!!!」
ドッ、とヒグマが大地を蹴った。
そして。
「え」
先刻バスにはじき飛ばされたセルリアンに感情があったとするなら、きっと自分と同じ思いを持っていただろう。
(速――)
想定外のスピード。
リカオンが目を見はる間もなく、ヒグマは彼女を熊手の間合いに捉え。
血走った目が、獲物の顔を間近で眺めた。
「しまっ…」
大きな衝撃と同時に、リカオンの視界は暗転した。
…
「えっと…北があっちだからー…たぶんこの地図?に印をつけたところはあの辺だねー」
「おぉー!了解なのだ!あっちはアライさんが探すのだ!」
「じゃあ私はこの辺を探すよー」
かばんに目印をつけてもらった地図を頼りに、山頂の二人は地中に眠るお宝の場所の目星をつけて掘り出す作業を始めていた。
「フェネックはすごいのだ!アライさんだけだったら、この地図をうまく使えなかったのだ!」
「いやーすごいのはアライさんだよー。ホントすごい執念だよねー」
がりがりと硬い土を掘り進めながら、二人は会話を続ける。
「まさかホントにお宝にたどり着いちゃうとは思わなかったよー。しかもそのお宝が、パークの危機を救うかもしれないなんてさー。アライさんはやっぱり持ってるよー」
これだからアライグマに付き合うのは面白い。
フェネックはくつくつと小さく笑った。
「へ?アライさん、何も手に持ってないのだ」
「…まーまーそんなことより早く探そーよ。あ、一つ見つけたよー」
「何いぃ!?フェネック早すぎなのだ!アライさん、もう指先が痛いのだ!」
「私は穴掘りが得意だからねー。アライさんがんばれー」
ぎゃいぎゃいと文句を言いながらも手を動かすアライグマを尻目に、フェネックは恐らくお目当ての物であると思われる、不思議な物体を手に取って土を払う。
見たことのない材質で出来たその薄いものは、中心にぼんやりと何かの模様が光っている。
これが、四神像――。
「アライさんこんなヤツだよー。今度はあっちの方探すからねー」
「任せるのだ!リカオンが戻ってくるまでに、四つとも全部揃えて自慢してやるのだ!」
鼻息を荒げて土をかき分けるアライグマから、フェネックは視線を山の麓へと下ろした。
セルリアンを追ってこの斜面を駆け下りていったリカオンは、未だに戻ってくる様子がない。
山頂の異様な静けさが、かえって不安を煽る。
その不安を相方に悟られないように、フェネックは穴掘りに集中するのだった。
…
「はぁー…ヒグマさんの修行は毎回キツいですよぉ…」
「ふふっお疲れ様です」
いつものようにみっちりしごかれ、座り込んで不満を漏らす自分に、もう一人の良き先輩、キンシコウが微笑みかける。
「第一、私は一対一での戦いは苦手なんですよ?仲間との連携や、追跡は得意ですけど…」
キンシコウが差し出してくれたじゃぱりまんを頬ばるものの、不平は止まらない。
「苦手だからといって、できないままではあなたが困るからですよ。ヒグマさんなりの優しさなんです」
立ったまま背中を木に預け、キンシコウは優しい目で見下ろしてきた。
「私だって、元々戦うのはそんなに得意じゃないですし。でも、ハンターになったからにはみんなを守るために頑張らないといけないでしょう?」
「それは…そうですけど…」
じゃぱりまんを口に運ぶ手が止まる。
「ヒグマさん、いつも私達のこと考えて修行のメニューも考えてくれてるんです。あなたが連携で力を発揮できることは、充分理解していると思いますよ」
キンシコウが、尻尾で器用に頭を撫でてくる。
「だからこそ、一対一での戦いを鍛えてくれているんです。私とヒグマさんに万一のことがあったときに、あなたが一人でもしっかり戦えるように」
「そう…ですね…」
ぶつくさと文句を言っていた自分が、急に恥ずかしくなる。
じゃぱりまんを無理矢理口に押し込んで、立ち上がった。
「まぁ、ヒグマさんとキンシコウさんが負けちゃうことなんてないでしょうけどね!」
「ふふふ…そう言ってくれるのは嬉しいわ」
気恥ずかしさをごまかすために、あーあとわざとらしく溜息をつく。
「でもせめて一回ぐらいはヒグマさんをぎゃふんと言わせてみたいなぁ…。キンシコウさん、なにかヒグマさんの弱点とか知らないんですかー?」
「えぇ…?弱点、ですか…」
真面目なキンシコウはこんな質問に対しても真剣に考えてくれる。
「あっ…そう言えば――」
「えっ?あるんですか!?あの最強のヒグマさんに…!?」
「え、えぇ…そんな話、一度教えてくれたけど…。でもきっと彼女のことだから、しっかり対策を考えているというか…簡単にはいかないと思いますよ?」
「わ、わかってますって!ちょっとした、参考までに…ね?」
耳打ちをせかすように、頭をキンシコウの方へ傾ける。
良いのかな…なんて呟きつつも、頼み事は断れないキンシコウは、こっそりと小声で教えてくれた。
「ヒグマさんね――」
…
全身を走る鈍痛に、過去の記憶の中に漂っていた意識が現在へと呼び戻される。
背中に固い木の幹を感じ、リカオンは自分が吹き飛ばされて、この木に叩きつけられたのだとようやく気付いた。
気を抜くと意識がまた途切れそうで、ぼやけた視界をなんとか動かし、ヒグマの姿を探す。
「ゴフーッ!ガオォ!」
どうやらヒグマは、自分を捕食しようとは思っていなかったようで。
動かなくなった敵に興味を失った彼女は、やはり空中に漂うセルリアンが気になるらしく、必死で熊手を振り上げていた。
まだ、終わっていない。やらなきゃ。
痛いような眠いような、熱いような冷たいような。
混濁する意識の中で、体を動かそうとしたリカオンは、ふと脇腹の違和感に気付く。
何気なく、そこへ手を伸ばし、触れる。
湿った感触。
(あぁ…)
その掌を、顔の前へと動かして、開いてみる。
全体が、真っ赤に濡れていた。
「やっちゃったなぁ…」
どうしようもない絶望的な光景を目にしてしまうと、苦笑いが溢れてしまうことを初めて知った。
ヒグマの突進からの一撃を、咄嗟に回避しようとしたものの、少し間に合わなかったらしい。
認識すると途端に痛みが押し寄せてくる。
――ヒグマの振るった爪は、リカオンの脇腹を大きく斬りつけていた。
「うっ…」
頭を動かし、自分の傷を分析する。
直撃はギリギリ避けられたようだが、掠めただけでこの傷だ。深くはないが、大きい。
どうやら爪の手応えに満足がいかなかったヒグマは、そのまま自分を体当たりで吹き飛ばしたようだ。
爪がまともに直撃していたら、脇腹をごっそりもっていかれるどころじゃすまなかったかもしれない。
ダメージは大きいもののフレンズの体は丈夫だ。まだ動ける。
動けるが。
(これじゃあ…もう…)
逃げても、戦っても、結末は同じ。
――どうやっても自分は終わる。いずれ自分は、自分じゃなくなってしまう。
『…』
てこてこと、茂みに身を潜めていたボス2号が歩み寄ってきた。
動かないリカオンの傷を確認した2号は、ぼんやりと目を光らせる。
『逃ゲルンダ、リカオン。想定外ノ状況デ君ハヨクガンバッタ。ケド、作戦ハ中止ダヨ。カバン達ニ連絡ヲトッテアゲル。山頂ノ二人ニモボクガコッチノ状況ヲ伝エニイクヨ』
ピロピロと音を立て始めた2号の耳の間に手を置き、リカオンは通信を制した。
「ちょっと待ってくださいよ、ボス…。そんなことしたら、みんなそれぞれの作戦に…集中できなくなっちゃうじゃないですか…」
かばんは元凶の黒い自分との対面を控えている。余計な心配をかけるわけにはいかない。
アライグマとフェネックは、きっと今頑張って四神を探してくれている。その手を止めるわけにはいかない。
サンドスター・ロウを止め、ベストの状態で遊園地組を敵地へ送り出すためには、ここで諦めるわけにはいかない。
「それに逃げても…無駄ですしね…」
『ア…』
リカオンは2号から手を離す。蒼い綺麗な体に、紅い手形が残ってしまった。
その手で首輪を毛皮から取り出すと、自分の腕に巻き付けた。
少しでも、暴走を遅らせるために。
「…ぐっ」
木に背中を預けたまま、無理矢理立ち上がる。
自分が動いたことに反応したヒグマが、セルリアンに向けていた熊手を止めてぎろりとこちらを見やった。
「…ヒグマさん…」
――どうやっても自分は終わるなら。
終わるまでに、終わらせればいい。
「――第2ラウンド、開始ですよ…」
燃えるように痛む脇腹を無視し、リカオンは血で染まった拳をヒグマに向けて笑みを作った。
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