第49話 演劇の難しさ
俺らは高三だから、来年度の進路を決めたり受験勉強をしたりしなければならない。
だから一日に許された時間は六時間。
これでもかなり多いので、早めに帰りたい人は帰ってもいいという制度を設けた。
俺じゃなくて雛だけどな。
雛は初日の台詞合わせの日こう言った
「締切を教えるので、それまでに役作りは終えてください!」
あまりにも短い締切だが、決まっていないよりかは動きやすい。
台詞合わせ、動き、舞台での台詞と動き、通し、仮本番、本番という順で練習をするようになっている。
動き、これは台詞が無くてもいい。
台本を持ちながら、動きを覚える。
誰がここで立ち去るべきで、誰が話すべきか。
その時の所作はどうするのが自然か。
ここで苦戦はしなかった。
舞台での台詞と動き。
ここでは台本を床に置き、なるべく見ないようにする。
そして、舞台で動きながら台詞をいう。
ここでかなり苦しんだ。
受験や試験の勉強をしている上に台詞なんて覚えきらない。
皆、頭をパンパンにして何とか詰め込んで、覚束無い動きと台詞で何とか立ち回っていた。
何回かやっていると少しずつ安定はしてきたが、
質が落ちてきた為、台本なしの通しを何日かに渡って続けた。
ある程度見れるようにもなった。
仮本番を通して、本番。
多少のミスはあったが無事に成功を収めた。
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