第50話 桜の木の下

俺らは心底ほっとした、傍から見ると無理だと思われていた事を成し遂げた事で多少の達成感までもが俺らを包み込んだ。


俺らはハイタッチをしたり、ハグをしたりして喜んだ。


物語の最後は、主人公とヒロインが逃げ込んだ街のシンボルになってる木の下で、ほんの冗談を交わす。という質素な終わり方だ。


でも、それがいい。

知り合いの街に夜逃げしたはいいものの、生活は困窮していて、ちょっとした事で喧嘩をしてしまう。


暫く家に帰ってこないとか、家でも一言も話さないシーンがあるのに。

最後は笑顔で冗談を交わして終われる。


なによりも微笑ましいことだ。


午前の部と午後の部で二回、文化祭は二日に渡るので四回を終わらせ、俺らは試験勉強に勤しんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る