一つずつ忘れていく彼女と、孤独が蝕む彼。
高校三年生の青年は、実の爺ちゃんを殺した。
卒業に近づくと夜毎に、「人に忘れられる」恐怖に襲われるようになっていった青年は、笑い合う同級生に忘れられることが怖くなり、卒業祭というものを企画した。
親友と二人で企画したものだが、卒業祭のその前日。
爺ちゃんは、俺が企画した卒業祭の事でせいで死んだ。
俺は人と話すことすら出来なくなった。
人が怖くなった。自分が言ったことや行った事が尾を引いて、また誰かを傷つけると思った。
覚えてもらう努力を出来ない俺は、ただ、忘れられたくないのだ。
そんな時に、家族で行った花見。
そこで俺はある彼女に出会う。
彼女の横には、保育園児くらいの年頃の子供がいた。
その子に焦らされるように彼女は桜の木に登るが足を滑らせ転落、入院することになる。
俺は救急車を呼んで、同乗した。
その後も俺は、彼女が心配でお見舞いに行くようになる。
一目惚れだった。
彼女に気持ちを伝えようと決めたその日、俺は強く、胸を握った。
俺がどんなに地味で、平凡な人間だろうと、彼女の心に、頭に住みついてやると。
絶対に忘れられたくないと心に決めた。
が、実は彼女は、生まれつき記憶できる量が圧倒的に少なく、新しいものを覚えれば一つ何かを忘れてしまう。
微かに彼女に芽生え始めた、あの青年への気持ちは、彼女の中で残り続けるのか。
おすすめレビュー
小説情報
わたしわあなたにあいたい。
A7 @a2u
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