第6話 陸上の飲み物、楽器の飲み物。
「
「あぁ。いいよ。」
言ってしまったからには買って帰らなければいけない。
思わぬ出費だが、仕事をしないお荷物役と思われるよりはいいだろう。
駅の中のコンビニに入ると、迷わずにアイスコーナーへと向かう。
「えっ。」
俺は聡明と同時に、驚きで思わず声を漏らした。
アイスのほとんどが売り切れているのだ。
そこには、バラエティーBOXの“ice《アイシ》クルちゃん”が幾つかと、“ふぁんとむモンスター”が数本。
あとはこの暑さのお陰か、ほとんど売り切れていた。
きっと、よく売れるふぁんとむモンスターは多めに仕入れているのだろう。
しかしながらふぁんとむモンスターを買うつもりはない。
「やばくね?」
俺が聡明にいった。
「いや、迷わねぇよ?」
聡明は迷わずにバラエティーBOXのice《アイシ》クルちゃんを手に取った。
ice《アイシ》クルちゃんは
これもまた棒付きアイスだが、爽やかなクリームソーダ味は子供から大人まで食べやすく、絶対的人気を誇っていたせいか、さっきもバラエティーパックしか残っていなかった。
俺らはレジに向かう途中でドリンクコーナーへ足を運んだ。
「俺らの分だけはドリンクを買おう」と暗黙の了解で1本ずつ手に取った。
聡明はスポーツ飲料。俺は炭酸が強いレモンのジュース。
会計を済ませて、急ぎ足で学校へ戻る。
聡明はアイスの入った袋を持っているというのに走った。
陸上部だったからさすがに速かった。
俺はというもの、吹奏楽部だった。
しかし吹奏楽部も舐められては困る。
“運動系文化部”と言われる程体力を使う部活なのだ。
肺活量を鍛えるため、いつも走り込みをしていたのを活かしてやる、と俺も聡明の後を追った。
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