第44話 重大発表

前は桐谷の事は桐谷くんだとか桐谷さん、聡明さんだった雛子も私によって、桐谷と呼び捨てになった。


「重大発表できるようになったわ。」


ちょっとふざけた声色で言うので、はいはい。と受け流す。


「いやいや、待てって、絶対お前らびっくりするよ?」


わー、きになるー。と大きめな声の棒読みで茶化した。


「あー。じゃあいいわもう、え、ほんとにいいんだね?」


「なによそんな、いきなり本気じゃん。」

「ねっ!すごいいきなり真剣な感じ!」


「だってガチだもん。」


「なによ。」


「いいのな?言うよ?」


「いいよ、早く言って」


「しゃーねぇーな。」


桐谷はいきなり携帯を取り出すなり画面をしばらくスワイプして、うん。と言うなり携帯をしまった。


「瀬戸が復帰した。」


「うそっ!やったね!!」


「…」


「また皆でこうやって集まれるねっ!」


「…」


「ああ!来週から来るってよ。」


「…うそだ。」


私は理解が追いつかなかった。

瀬戸は死んだはず、瀬戸は、死んだはず。

生き返ったの?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る