第97話 トラブルメーカー
お互いの誕生日会にはよく誘ったりしたのを思い出す。
いつしかそれも無くなった。
きっとそういうこともあって、俺は孤独を感じるようになったんだろうな。
今までそうだったものが途端に無くなると、一気に寂しくなるもので。
「お前。なんかあげんの?」
「え。いや、なんもそういうのは、、」
「えー。彼女なのに?」
「は、」
不意を突かれた。
ギャハハと笑う聡明を怒りの眼差しでみつめる。
「わりぃわりぃ」と聡明は笑う。
なんだか、聡明の絡み方に違和感を感じる。
どこか冗談ではないような、そんな目をしていた気がした。
「あ、そいえばさぁ、」
聡明が続ける。
こう、話をすぐ入れ替える所も怪しい。
俺らしくないな。
明確に分からないものをいつまでも追っていたってしょうがないし、答え合わせなんか出来ないんだから。
今は目の前にあるものだけを見よう。
書類の回収日は一週間後になる。
何もトラブルがないといいけど。
そう思っていた矢先。
二日後の朝、隣のクラスの石井が駆けつけてきた。
長身で細身、弱気な石井は、「どっかでプリント落としてしまって、」と。
一応予備は持っておいたものの、落とした場所が悪いとこの計画は完全に水の泡だ。
「お前さぁ、、」と、俺と話すために教室に侵入していた聡明が呆れた声を出した。
「す、すみません。あの、もしあれでしたら、参加はしなくていいです。」
「プリント無くした責任ってこと?」
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