ふと我を取り戻すと、テレビの画面には、高校生が死亡した報せが入ったと、学校の記念写真が貼られていた。

俺の目がおかしかったのか、ほんの気の焦りかは分からないが、その顔が、アイツに似てるように思えた。

アイツがテレビに出ているように思えた。

人身死亡事故の被害者として。

実際にアイツは何度か倒れているし、電車通学だからありえない話じゃない。

俺は気づけば両手を強く握っていた。

手の内は汗で湿気っていて、体が外側から焦っていることを知らせ、心は内側から知らせる。

アイツがああなったら俺は、このままアイツと話さないままなのか。

悔しいとか、そういうものでは無い何かが心の中で切り替わった気がした。

「なぁ。」

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